ジュンス目線
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「過労・・・だな。」
マネージャーが言った。
あの後、僕は、直ぐにジェジュヒョンを病院へと連れていった。
診察室で横になり点滴を受けているジェジュヒョンの顔は真っ白で、
このまま、溶けてなくなってしまうんじゃないのかとさえ、思う・・・
ゆるゆると、ジェジュヒョンの目蓋が動き始めた。
「ジェジュヒョン?」
「う・・・ジュン、ス?」
目蓋を開け、僕を見る。
「俺・・・なん・・・」
「ジェジュヒョン、気分はどう?」
「ここ、病院?」
「・・・うん。」
「そう・・・」
瞳から溢れ出す、涙・・・・
「俺・・・ダメだな・・・こんなんで、倒れて・・・」
「しょうがないよ。・・・いろいろあった、から・・・」
「・・・ごめんね?ジュンス・・・」
「謝らなくていいから・・・ゆっくり休んで?」
チリでのライブが決まった時、
周りの祝福の裏で、ジェジュヒョンの私生ファンとの問題が勃発した。
何故こんな時期に、そんな昔の事を?
なんて、考えなくても、答えは明白だった。
流出した音声ファイルはツギハギだらけで、
編集した人間の悪意が盛り込まれていた。
でも、実際、それは、隠せない事実、
そして、
長年、私生ファンに苦しめられてきたのも事実。
殴られるよりも、酷い仕打ちを受けてきた。
だから、僕は、
「謝ることなんてないよ。」
そう言ったけど、
チリの記者会見でジェジュヒョンは、
静かに、謝罪をした。
きっと、悔しかっただろう
悲しかっただろう・・・
それでも、ジェジュヒョンは・・・
言い訳するでもなく、謝罪した。
幸いにも、チリではあまりそれを取り沙汰されることもなく、
直ぐ様歓迎モードに移り、安心してライブをすることが出来た。
ジェジュヒョンも何事もなかったかのように振舞っていたが、
心にはシコリを残していたんだと思う。
初の南米ライブに私生ファンの問題、
ギリギリの精神状態で
ユチョンの父親の訃報・・・
限界だったんだろう。
「葬儀には僕一人で行くね?」
「うん・・・ユチョンを頼む、ジュンス・・・」
「・・・・うん。」
僕が何かをしなくても、ユチョンは大丈夫なんじゃないかな・・・
という言葉は、飲み込んだ。
僕こそ、ダメだな・・・
2人の支えになれない悔しさが、思考をネガティブにさせる。
こんなとき、
ユノヒョンがいてくれたら・・・
ダメだ、こんな考え
今は、僕が、2人を支えなくてはっ!
「俺はジェジュンを自宅に送ってからユチョンのとこに行くな。」
「うん。分かった。」
マネージャーにジェジュヒョンを任して、僕はユチョンの所に向かった。
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僕は、喪主を務めるユチョンの背中をじっと見つめた。
抑えきれない悲しみに肩を震わせる・・・
漏れる嗚咽を押し殺し、それでも、流れ出る涙を必死で拭うユチョンに
僕も堪らず涙を流した。
以前、ユチョンが僕達にお父さんを紹介してくれたとき、
ユチョンはとても嬉しそうで・・・
例え、戸籍上は親子ではなくても、
血の繋がりは掛け替えのない家族という絆なんだ。
絆・・・
東方神起だって、
僕達にとって、
家族という絆で結ばれている。
ユチョン、ジェジュヒョン、
それに、今は離れているユノヒョンやチャンミンだって・・・
大切な僕の家族。
それなのに、僕は、
今のユチョンとジェジュヒョンを支えてあげれていない・・・
いつものように、
笑わせてあげられることが出来ない。
ただ、傍に、
いてあげることしか、出来ない。
歯痒い想いが、僕を苦しめていた・・・