奈良市滞在三日目。
前日に窪之庄城⇒椿尾上城⇒布施城を案内して頂き、その夜に『酒菜 うおとも』で三人で奈良の酒や肴を堪能(一人は車だったのでノンアル)。
この日は事前にお願いしていた環濠集落巡りをしました。
環濠集落自体どういうものか見たことが無かったので、すごく楽しみにしてました。
朝から雨降りの天気でしたが、山城に行くわけではないので傘持っての環濠巡りです。
稗田環濠(大和郡山市)
最初に訪れたのが稗田環濠、大和郡山市の史跡指定を受けています。
当時のまま完存している大規模な集落型環濠で、特徴として鬼門の方角に七曲りという階段状の屈曲を施している環濠です。
有事の際は入口を塞いでしまう、もしくは橋を落とす事によって不審者等敵の侵入を防ぐことが出来る構造になっています。
なので、集落の道が細いのも環濠集落の特徴とも言えます。
番条環濠(番条城)(大和郡山市)
こちらは惣村型と呼ばれる環濠集落。
惣村型を調べてみると、『自立的・自治的な村』との事で、簡単に言うと村人が自衛の為に作った村です。
そう、ここは城なんです。
番条集落は佐保川左岸に沿って自然の形で残された集落で、室町から戦国時代に現在の形になったそうです。
地名はこの辺りを支配していた番条氏から取ったものです。
熊野神社が城主がいたとされる主郭部分で、一部土塁らしきものが残っています。
上窪田環濠(生駒郡安堵町)
こちらは在地領主の居館跡を環濠で巡らせた非常に珍しい環濠住宅で、二重の堀が巡っています。
この堀の中央には中家住宅があり、国指定重要文化財になっています。
隣には同族の石田家があり(現在は住んでいない)、多聞城の城門が移築されています。
多聞城移築門です。
現在は住んでないという事で放置されている感があるのですが、何とか保存の方向で動いていただきたいですね。
結崎環濠(磯城郡川西町)
こちらは3つの集落(井戸・辻・中村)の総称で、下の写真は井戸集落の堀で、個人宅を堀で巡らせた小規模なものです。
現在新築の家が建ってしまったので、3枚目の奥が見えなくなっています。
筒井城(菅田比賣神社)(大和郡山市)
筒井氏の居城として知られており、平地部に築かれた中世の城としては規模の大きい平城です。
ここはチョイ寄りで、この神社に堀跡があるとのことで案内して頂きました(3枚目)。
ちなみに筒井城の石碑や説明板は見に行ってません。
南郷環濠(北葛城郡北広陵町)
中世に南郷氏が防御を目的として作られた惣村型環濠で、東西約550m、南北約700mという大規模な環濠集落です。
現在残っている遺構はありませんが、住宅街の一角に南郷城の石碑が建っています。
藤森環濠(大和高田市)
説明板によると、水利と村落防衛のために造られた環濠集落です。
現在は公園化されており、当時のままの姿を留めています。
池尻環濠(大和高田市)
こちらも藤森環濠同様、利と村落防衛のために造られた環濠集落です。
写真は西側の堀で、市民の憩いの場として整備されて説明板が設置されています。
松塚環濠(松塚陣屋)(大和高田市)
中世の豪族である松塚氏の居館跡があり、現在は市杵嶋神社が建立しています。
この市杵嶋神社の所は松塚環濠の南東部に位置し、環濠集落としては堀が北側と東側、そして写真の場所に残っており、後は埋め立てられて道路になっています。
この南東部にある堀の石垣は当時のものです。
保津環濠(磯城郡田原本町)
堀は一周しており、一部暗渠になってはいるものの完存しています。
南東が虎口になっており、当時は木橋が掛けられてたとの事。
木戸もあったそうで集落内部を守るために作られた城としての機能もあったそうです。
竹之内環濠(天理市)
奈良盆地に作られた高地型環濠集落で、標高100m位の所に作られています。
現在も食い違い虎口っぽい入口があり、城としての機能を持たせていたことが現在でも解ります。
近くに萱生(かよ)環濠もあるそうなので、次回はそっちも行きたいですね。
以上10ヶ所の環濠集落と城跡一か所、移築門を紹介させていただきましたが、まだまだ環濠集落があるそうなので、次回来るときはそこも見たいと思っています。
※駐車場は稗田環濠、上窪田環濠(中家住宅)以外基本ありませんので、駐車出来る所を探すか路肩の駐車出来るスペースに停めて下さい。
その際は住民に迷惑を掛けないようお願いします。
Speciai Thanks to 会長さん