前回迄 中学に入学して部活動にいた一年先輩のかすみさんに一目惚れするも何ら想いを伝えることはできずに、自己の心の防衛に腐心し想いは内側にのみ深化させていった。

 

私が中一、かすみ先輩が中二の秋も終わり頃にそれぞれの研究が県で表彰されることになった。

県庁まで一時間半はかかる道行はとても嬉しかった。

夏休みに私は、ほぼ毎日部室に通い、かすみ先輩は時折来られた。挨拶をかわすだけで胸がときめいた。そして同じバスに乗れて昼食も同じものをとれた。賞状や記念品など何も覚えていない。

そして体育祭で驚いた。彼女の体操シャツや短パン姿は勿論眩しかったが足がとても速かった。「先輩頑張れー」などと言えるはずもなく、

しなやかな手足が動くさまを目に焼き付けた。

半年が過ぎて挨拶以外の会話は、ほぼ皆無だった。