自分がうつ病にかかったなどとは思いもよらなかった。ただ、どうしてこんなに仕事がうまくいかないのだろうと自分なりに分析して社内規定以上の厳格なチェックを探していた。手作業の部分をPCでチェックしようと二度手間三度手間もサービス残業というか早朝出社して試したりもした。それでもPCへの入力は手作業になりそこで思いもよらない単純ミスをしていた。もうこうなれば自分はバカになったと認定するしかない。新入社員以下であると責め続けた。部下に合わせる顔も無ければ委託会社に迄迷惑をかける。気がついたら社内でわんわん泣いている自分がいた。上司に連れられ保健室に連れていかれたらしい。いつの間にかその部屋に妻がいた。時間の感覚や前後のいきさつが今でも理解できない。とにかく私は、かかりつけの医者(過去ログにある胃腸科の先生)の紹介で診療内科に行くことと休職になった。

 そして、とにかく仕事のことは心配しないでぐっすり眠って体を休めてくださいということだった。落ち着かない私は、それでもどうして仕事を休まなくてはいけないのか。人間失格になったのかと不安だった。

しかし、通院と会社には出勤停止という事実を受け止めた。自分は病気なんだと。しかも、治る病気だと知った。そして決して焦ってはいけないので嫌になるほど仕事のことは忘れて休んでください。その事が結果して早く職場に復帰できることですと産業医の先生から言われた。

 会社は休んでも年収は落ちなかった。約1000万のままだった。だんだん病気について勉強していった。そして一日も早い復帰のためにどうしたら復帰できるかを産業医の先生や保健師の人と相談した。

一年を過ぎたあたりから病状が安定していったのでハローワークにあるリワークにいくことが決まった。嬉しくもあり、充実感漲る思いだった。リワークの内容はなんとも頼りないものであった。自分はこのレベルからのスタートなのかと逆に落ち込むほどだった。しかし、気持ちを切り替えること。リワークの作業は別として、認知の訓練は非常にためになった。

 リワークの先生・産業医・保健師の共通意見は後半年くらいは様子をみましょうという事だったが徹底的に復帰をアピールした。リワークを半年程度で異例だが、本人の意欲・担当医の意見を参考に発病から一年半で職場復帰が決まった。私はやる気まんまんだったのである。ただ、お客様対応は高度であるので電話応対と接客以外から、会社の方は一日4時間の労働時間から様子を見て通常勤務へシフトしていきましょうということだった。ついに職場復帰がかなった。

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