先週、妻と映画を観に出かけました。
タイトルは「オレンジ・ランプ」。
39歳で若年性認知症当事者となった丹野智文さんの実体験に基づいた作品です。
上映会場は映画館ではなく西東京市の「こもれびホール」。
9月は【認知症月間】であることから、この病気の本質や当事者の声を知ってもらうため、各自治体で盛んに上映会が企画されています。



自宅外での映画体験はひさしぶり。
ましてや妻と二人でとなるといつ以来だったか、、、、
この日は柄にもなくソワソワしていました。

劇場で観た最後の映画は2020年1月末、Tジョイ大泉での「パラサイト 半地下の家族」。
カンヌのパルム・ドールに続いてアメリカ・アカデミー賞の最優秀作品賞もとったポン・ジュノの傑作です。

この映画を観た後すぐ、未知の感染症による不穏な空気が世の中に漂いはじめ、当時の私は居酒屋稼業でしたから、自分が媒介してはならぬと映画館通いを自主規制。
映画館の窮状を知ってもどうすることもできませんでした。
その後は諸事情も絡んで、映画は配信でちょろっと観る程度。
それまで年間70~80回は映画館に足を運んでいましたので、人間、変われば変わるものです。

現在は飲食店を離れていますが、これからも劇場を訪れる自分の姿は想像しがたいですから、たまにはこんなワンシーンを思い浮かべてもいいでしょう。

かつて愛した映画館。
お気に入りの名画座かミニシアターのどちらかで、自分の定位置と決めていた前寄り右側のシートに腰を下ろして開映を待つ若き日の自分。

サブスクの配信リストを眺めながらノスタルジアに包まれるのも、たまには悪くはないと思うのです。