【お知らせ】
2024.1.31(水)をもって「なごみ家 佳辰」は15年の歩みを止め、酒場の幕を引きました。


皆さまにあたたかく支えていただき、ここまでやってくることができました。
ありがとうございました。
出会えた方々すべてが私達夫婦の宝です。

少し前、閉業を口頭で伝えたところ

ずっとやってくれるって言ったじゃないかー💦

と駄々をこねてくれた方。
本当に申し訳ない言い草ですが、とてもうれしかったですよ。
ありがとう。

あるときは寡黙にカウンターで涙を流し続けてくれた方も。
あのときは声をかけることができず、すみませんでした。
こんなに泣いてくれるんだと、私もじんわり落涙しそうでした。

これまで、

ほんとにやめちゃうんですか

と何回も訊かれましたが、私達にとって閉業は“その次”に向かうための区切りなのだと思います。
私は妻と2人で穏やかな時間を過ごせるよう、可能な限り平生を保てるよう創意工夫の新生活に移ります。

私たち夫婦の50代最後の日々に、こんな事態が待っているとは思いもしませんでしたが、考えを巡らせ、前を向いて決めました。

そして1.31はサ・ヨ・ナ・ラ・パーティー。

大勢の方々が入れ替わり立ち代わりでご来店くださり、最初で最後の立食鮨詰形式は最後まで賑やかでした。


開店時に中一で、店をよく手伝ってくれていた二男はお嫁さんと愛娘、つまり私達の孫を連れて来店。


彼が生まれたとき、出産祝いの返礼品として送った日本酒「東力士」を一本残してあったので皆さんに振る舞いました。
実に29年古酒です。

また、開店の時から育て始めた達磨政宗の「未来へ」も皆さまに味わってもらいました。

さらに本金酒造さんから惜別に送っていただいた高級酒「野良」。

地酒屋こだま店主、児玉さんが担いできてくださった「十五代九郎右衛門」。






個性も持ち味も異なる美酒の数々が参加者の舌の上でころがり、喉元を滑り落ちていきました。

ネギ生産農家の辻村さんも作業終了後に訪ねてくださいました。
地元野菜をメインで使っていた佳辰でしたが、ネギは日高の辻村農園さん。


キャリアの最終盤に出会えて幸せでした。

終盤といえば、会の終盤にギターをもって来訪してくれたのは木崎カンタくん。
hactoさん、安室岬さん、尾上明典さんの“音楽佳辰”スリーマンLIVEのときにオープニングアクトとして楽しませてくれた彼がやってきて、私のリクエスト「上を向いて歩こう」など披露してくれました。



佳き酒があって、佳き音楽があって、もちろん佳き場所があって、佳き時間が流れてゆく。
笑い声あり、号泣する場面もあり。


小さな奇跡の連続のような佳辰の15年がギュッと詰まったような一晩でした。

パーティーは自発的に古参の常連様方が仕切ってくださり、私はただエヘラエヘラしているだけですみました。
改めてお礼申し上げます。

最後にもう一度言わせてください。

皆さんに会えて良かった。

ありがとうございました。

なごみ家佳辰 
八重樫達也&淳子