冬来たりなばーー
言の葉は
枯れ落ちた
裸になった樹木は
風が吹いても
雨が降っても
失う物など何も無い
寒そうに見えるか
可哀相に見えるか
身は裸でも
土の中で根は生きている
裸の方が楽かも知れない
そのうち葉を茂らすかも
知れない
殺風景な暮らしの中で
古い言葉が木霊している
揺れる家
家が揺れた 靴が揺れた
電線が揺れた 空が揺れた
私は父親だから
子供達を避難させねば
ならない
私は揺れない
懐中電灯の仄かな明かり
反射式ストーブの静かな火
鳴らない電話
親類の安否も聞こえない
私が頼りだから
不安を悟られては
ならない
私は沈まない
お椀が揺れる トイレが揺れる
ベッドが揺れる 余震に揺れる
私は大黒柱だから
家族を支えねば
ならない
私は崩れない
日常が揺らぎ 生活が揺らぎ
体が揺らぎ 疲れに揺らぎ
私は人だから
一人では何も
できない
心は揺らぐ
缶詰に食も整わず
悲報に何も言えず
揺れに夜も眠れず
暗闇に先も見えず
私は守りたいから
ここで諦めては
ならない
私は倒れない
残りの力を奮い起こして