薄くて読みやすい「依存症のすべてがわかる本」
本書では、主に問題となる「依存症」を三種類に分類している。
1、物質への依存
アルコール
ニコチン(たばこ)
食べ物(過食)
薬物
2、人への依存
DV(ドメスティック・バイオレンス)
子どもへの虐待
共依存
世話焼き
3、プロセスへの依存
ギャンブル
買い物
仕事
ネット
携帯
万引き
自傷行為
そしてそれらの依存の背景として、分析的な観点をまぜながら、
幼児期に母親との愛着関係が(必ずしも母親に原因があるとは
限らないとしながらも)上手く築けずに生じた外傷経験により、
大きな「底知れないさみしさ」を抱くようになり、この感情が依存症の根底にあるとしている。
「好き」と「依存症」はまったく別物としながら、物や人、プロセスに依存することでさびしさを埋めながら安心を得ようとしている、と依存症のメカニズムを説明している。
プロセス依存という言葉はあまり耳にしないが、本書によると、ある行為を行う過程で得られる興奮や刺激を求め、その行為に没頭することと説明されている。
アルコールやドラッグが物質そのものへ執着するのに対し、ネットや恋愛、ギャンブル、買い物などは一連のプロセスをたどる中に興奮や刺激が含まれており、ある人はその過程(プロセス)によって得られるものを得るために、その行為に依存していく、と理解すれば良いのだろう。
本書では各種依存症について非常に短い事例のようなものが挙げられているが、
あくまで入門的な内容の作りとなっているため、現実に参考となるような事例は少ないように感じられた。
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