お金の管理はお前に任せるとずいぶん前から言っていましたが、いつからにするのかを聞くと勿体ぶって言わない状態が続いていましたが、入所直前になってようやく私に通帳とハンコとカードと手持ちの現金を渡しました。

プライドが高くて優柔不断なので、決められないし勿体ぶるのです。

こういった態度を取られると本当に疲れます。

あまりしつこく聞くとやる気満々だと思われそうなので、向こうが言い出すまで放っておきました。

 

私は伯父のお金の管理などしたくはありません。

でも施設にお金は持ち込めないし伯父が支払いをするのは無理だし、私以外にやるひとがいないので引き受けただけです。

 

しかし老健に入所する日の朝、伯父は突然色々とお礼したい人がいるから100万円持ってきてくれと言い出しました。

 

施設にお金は持ち込めないことは伝えてあります。

数千円程度ならお目こぼししてくれるかもしれないけど、100万円なんて持ち込めるはずがありません。

しつこく言っていましたが渡す訳にはいかないので、もう時間がないからと断りました。

伯父はしぶしぶ手元に残っていたお金だけを持って入所しましたが、それでも数十万円あったようです。

本当は取り上げないといけないのですが、もう疲れたよ。

施設にバレて出ていけといわれても知らないよ。

 

 

入所には義姪も付き添ってくれて、介護タクシーに乗ってようやく老健に入所しました。

伯父は介護タクシーの人にチップを渡せとうるさく言っていましたが、昔から人にお金を渡すことで優位性を示すのが好きなのです。

しかも自分で渡さず誰かに命令して渡させるのが常で、王様気分を味わいたいようです。

しかも前もって用意することはなく、まるで相手に見せつけるように財布からお金を取り出して私に渡します。

まるで伯父からのお金だということを誇示するように。

当然受け取った人は伯父にお礼を言いますが、伯父は「今日はお世話になります」などとは絶対に言わず、相手の顔すら見ずに軽く手をあげるだけ。

それが伯父的にはカッコいいのでしょう。

 

 

時間通りに施設に着き、諸々の手続きを済ませながら、部屋には医者やケアマネさんなど沢山の人が次から次に来て挨拶したり診察したり説明聞いたり、想像以上に大変でした。

2時間ほどかかってようやく終わって、義姪と私は帰りました。

 

 

これでようやく安心できます。

 

玄関無施錠で数百万円の現金を置いている寝たきり老人が近所にいるというのは、心臓に悪いよ。

 

これで夜中に何かあっても甥っ子夫妻が電話で叩き起こされることはないでしょうし、引っ越しの片付けもようやく始められます。

 

 

伯父は施設で一生暮らすと覚悟を決めています。

何度もそう言っています。

 

今の施設は永住できないので、今の環境に慣れたら次の施設探しが始まります。

まだ永住の地に辿り着くまで先は長いけど、それでも超高齢者が腰を痛めてほぼ寝たきりで独居という、なんとも危なっかしい生活がようやく終わりました。

 

 

腰を痛めてから約半年、義姪や近所の人の献身的な介護のおかげでなんとかここまで辿り着けました。

 

本当にホッとしました。