いよいよ
会社が撤退する日が来た
閉館時間までに
会社が作成した資料
制服などの回収が行われた
回収された資料の中に
業務内容のマニュアルが含まれていることに
私は絶望した
コンサートホールは仕事が細かく
動くお金も高額である
コンサートホール使用料、控室使用料
練習室使用料、会議室使用料
その他に
ピンマイク、有線マイク、無線マイク、スポットライトがそれぞれ多数あり
マイクスタンド、音響設備、楽器、プロジェクター、スクリーン、演台、CDプレーヤー等々
すべての備品には金額がついている
さらに
各文化団体の使用割引率は数種類あり
書類の入力方法も異なる
使用料金の
事前振込、当日精算、追加精算
スポットライトいらなくなったけど
もう振り込んじゃった〜の返金パターンもあり
作成する納付書も書類もミスが許されない
コンサートで取り扱うチケットは
会員料金、一般料金、御招待席、関係者席と
公演ごとに
取り扱い枚数も金額も変わり
公演中止の際には
返金作業も加わる
そして演目ごとに客層が変わるから
クレームの種類も変わる
例えばクラシック公演の場合
前席の人が頭でリズムをとってるのが気になる
隣の人の香水がきつい
ピアニストの椅子がキイキイきしんでいて集中して鑑賞できない、など
ジャズ、寄席、演劇、講演会、映画、ダンス
その他いろいろ……対応方法も変わる
そして
盗人、怪我、体調の悪い人が出た時の対応
(↑子供の発表会で最後の写真撮影時のカバンの置き引きが多い)
災害時にすべきこと
それらのマニュアルが回収されていった
事務所には何も残らなかった
しかし
明日は通常勤務である
絶句するアルバイトさん達に
なんとかするから大丈夫
心配しないで
と言うしかなかった