私は今まで
何人の人を殺したのだろう
この仕事を始めて
10年が過ぎようとしている
改めて
書斎の本棚を見回すと
悪寒が走った
単純だった殺人は
時代と共に複雑で巧妙になった
次は誰を
どのような手法で殺そうか?
女? 子供? 男?
それとも老人か?
常に策を巡らせる日々
私に休息は訪れない
唯一
私の心と
作品の中で殺された人物達に
癒しの光を投げかけるのは
時代が変わろうと
善を求め続ける
人々の心である