重い沈黙の中、ベンツはジュネーブ空港に到着。検問所を通過した後、空港内の郵便局前で停車した。局長の案内でどんどん奥の方に進んで行った。「ここがあなたの見たがっている場所です。ご自由にご覧下さい」と局長。
「ほんまや!ちゃんとOSAKAの枠がここにあるやないか。感動した!納得した!」とB君はその木枠の郵便物を見ながらニコニコしていた。それを見て局長とお付きの運転手はホッとしているようだった。
僕が思うに、彼らはB君を日本政府が派遣した抜き打ち監査と思ったのではないか。その証拠に、通訳(つまり僕のことですな・・・)まで付いてるではないか。
広いガラスを通して飛行機が見える作業場を去ると、別室に案内され、紅茶を頂いた。「ご満足ですか」と聞かれ「そうやな、長年見たいと思っていた物を見たので、非常に満足してる」と鷹揚な言い方でB君は満面笑みで答えた。
「それでは、中央郵便局までお送りします」ということで、帰りもやはり重い沈黙に包まれたまま、元の場所に帰った。そして、サヨナラの挨拶をして僕たちのプチ外交官ツアー?を終えたのである。
道草話をしている間に列車はそろそろイタリアに入国しそうだ。
スイスの話はこれで終了。
(写真は'78年春、ジュネーブにて)
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