各国の若者が各自各様にごろ寝する、絨毯が敷かれた広い部屋で寒さを感じて寝袋の中で目覚めると、本船は今まさにヘルシンキに入港しようとしているところだった。他のメンバーは既に起床し、荷物整理をしていた。

真っ白な美しい建物群が目に入った。

これぞ、まさに北欧!



船内に流れるフィンランド語の響きが特徴的なので、「ロシア語のように聞こえますね」とS氏に言うと、「全然違いますよ。なにせ格が11格あるんですよ、英語は主格・所有格・目的格で3つ、ドイツ語は4格。ヨーロッパ言語で一番難しいんですよ」とケペル先生 さながらの物知りぶりを披露してくれた。

シリヤラインの豪華客船と別れ、先ほど船から見えた、白が際立つ・・・寺院 の前を通ってヘルシンキ駅へ向かった。



パリ・マドリッド10日間家族旅行記



古くて立派な駅構内で朝食を取って一息ついた。やたら天井が高くガランとしていて、妙に静かだ。少し社会主義国に近づいたように感じられた。

トイレに行き座ったが、扉が膝下当たりからオープンになっているのにためらってしまった。

ターミナルのホームにはEnglish Spokenと書かれたタスキをかけた案内嬢がいたので、タンペレ行きはどのホームから出ますか?と尋ねたら丁寧に教えてくれた。

S氏の提案で、タンペレ迄行き、そこで宿泊することになっていた。

以前彼が行ったことがある半分ユースホステルのようなホテルだそうで、費用もリーズナブルとのこと。僕と東京出身の2人組もS氏に絶大な信頼を置いていた。列車はタンペレへ向かって静かに動き出した。




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 海水パンツをリースして小型のサウナに入った。腰掛ける所が三段になっていた。とりあえず下段に座って暑さに慣れようとした。子どもが数人いて熱々の小さな風呂桶のような物の中にシャクで水をほうりこむ。その度に凄い高温の蒸気が立ち昇る。一挙に室内の温度が上昇する。

熱い、熱いと僕たちが叫ぶと、喜んでまた水をぶち込む。そのうち誰が最上段で辛抱出来るか我慢比べをやろうと少年たちが言い出し、我々も受けて立つことにした。ドンドン水をぶち込むので、ついに僕たちはギブアップ!

金髪の少年たちは勝ち誇っていた。サウナを出るとき小さなプールがあり、飛び込んだ!

もう、最高!!超気持ちいい!


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フィンランドサウナを堪能した後、デッキに出よう、ということになり出てみると太陽が水平線の僅か上にあり、まさに沈もうとしていた。

実に美しい!

S氏は今から見ると随分大きなハンドビデオでその綺麗な黄昏を撮っていた。地元の友人に是非録画してきてくれと頼まれたとのこと。日も沈んだので、船内の娯楽施設を覗きに行くことになった。オープンパブは、ライブを聞きながらカクテル、ウイスキーを傾ける年配の旅行者で賑わっていた。



僕たちはルーレットを見に行ったが、見るだけではつまらないので、参戦した。勝ったり、負けたりしていたが、結局、全員負けた。最上階にラウンジがあり、そこでビール飲みながら、明日からのスケジュールをS氏中心で立てた。一人、また一人と減って、最後に僕とF氏二人になった。

バイキングディナーで活躍した彼と人生観を含めいろいろ話した。



23時には流石に大きなガラスから見える空と海は漆黒に包まれたが、じゃー、一体何時に夜が白み出すかこの目で確かめようと意気投合した。

2時過ぎには曙状態!海上が徐々に朱色に染まり出した。6月中旬のフィンランド、ヘルシンキ付近の夜は3.5時間ぐらいということを目視した後寝に行った。



(写真は何故かモノクロになってしまったが、シリアラインではなくバイキングラインの船が写っています。しかし海水パンツのリースぅ??!!と今となっては信じられない思いの方も多いことでしょうな・・・)





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 18:00発のシリヤライン社の豪華客船 に乗るために早い目にストックホルム中央駅 でリュックを出し、港まで電車を利用した。前述のユーレイルパスでこの船にも乗船できる。既に白く輝く豪華客船は客を迎える準備を完了しているようだった。早く乗船したいなとみんなと言い合った。



1500円プラスすると北欧バイキング食べ放題なので、みんなプラスした。時が経ち、乗船を終え、ごろ寝できる部屋に荷物を置いて場所取りした後、愈々Dinner時間が到来!4人でドでかい食堂に行くと先客が結構来ていた。

チケットを持って並んでいると一人のアジア人の若者がこちらを見ているので、英語で声をかけると英語で挨拶してきたが、何となく日本人じゃないかと思い、「日本の方ですか」と訊くと、「そうです」と言ってニコッと笑った。その笑顔が可愛いかったので、「一緒に食べませんか」と僕が誘うと「いいですか?」と言いながら嬉しそうに近づいて来た。



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入場後まずテーブルを確保し、順次好きな料理を取りに行った。大きな丸テーブルにスエーデン人一人を含め6人で誰が一番たくさん食べるか競うことになった。積み上げる皿の数で決めるのである。僕も気合いを入れて食べ始めた。言い忘れたが水以外の飲み物はすべて別料金である。



8皿位で、2人を除いて、ギブアップした。最後は小柄な日本代表のF氏と大柄で凄い腹をしているスエーデン代表の戦いとなったが、13皿でF氏はギブアップ。勝者は結局18皿平らげたスエーデン人に決まった。彼は僕たちと違って、出だしは実にゆっくりだった。終始そのペースを守り続けたのも勝因だろうが、なにせ体格がまるで違っていた。そこを考慮すると、F氏は大健闘だった。楽しい思い出だ。



食事中も豪華客船は静かに沖に向かって狭いフィヨルドを左右の岩にぶつからずに進んで行く。相当急角度にえぐれているのだろう!大きなガラスを通してほんそば(すぐ近く)に岩肌が見える。食事も終え、プール付きサウナへみんなで繰り出した。


(写真はストックホルムの船のユースホステル)


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車内はコンパートメントではなく、かと言って新幹線のような同じ方向の2、3人の座席でもなく、どう言えばよいのか、数種類のバリエーションがあって、4人掛けの座席が向かい合っているかと思うと、2人座席、3人座席があったりする。しかも室内装飾が見事で、濃い青と緑の中間色の絨毯、さらに座席や壁、天井も同色の壁紙がはられ、アクセントに北欧家具を思わせる木が配置されている。そして黄金色ライトが大人の雰囲気を醸し出している。

節約旅行であってもユーレイルパスを持っているとこういった列車の一等席に乗れるのである。



乗客は僕ら4人だけで、開放感に浸りながら、暫く楽しい時を過ごした。

みんなは僕がキャシ-と一緒に行動するものとばかり思っていたようだった。ユ-スホステルに二人で入ってきたのをみんな見ていたのだ。
「○○さんはキャシ-と仲いいんでしょう-てっきり彼女と行動を共にすると思ってたら僕らと一緒に来るというから意外だったよ」と言うので
僕はキャシ-とは偶然会っただけだということを説明した。


パリ・マドリッド10日間家族旅行記

(北欧、列車、交通事情、ユーレイルパスetc)  




めいめい好きなところで寝た。どこだったか、大柄な男性がが乗ってきた。どんどん北へ北へ列車はひたすら走り続けた。夜が明けても針葉樹林の中を駆け抜けていく。ストックホルムには8時前後に到着した。

とりあえず、リュックを駅のロッカーに預け、何処かで朝食を取り、街を散策することにした。S氏がガイド役を買ってでてくれた。市庁舎、船のユースホステル、そこから賑わう旧市街へ行く途中、なかなか立派な百貨店に立ち寄ったのだが、そこに僕の目を引くものがあった。



このことは本編「パリ・マドリッド10日間家族旅行」でも写真入りで書いた記事があるので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれない。それは華奢なガラス製カップでコーヒーカップぐらいの大きさの物だ。金の装飾が施された取っ手がオシャレで、節約旅行の僕は大いに逡巡したが思い切って購入した。

他の3人は、移動中割れないか心配してくれた。

S氏の提案に従い、今夜大型船で、ヘルシンキへ向うことになった。かなり強行だが船内でゆっくり休めるとのこと、それと、何と言ってもみんな若かった・・・。


あの頃君は~♪

若かった~~♪


お決まりのごとくこの曲を口ずさんでしまうのである。




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 翌日、朝食時にキャシーと会ったので食後一緒に街を見物しようと話していると昨夜の輪の中にいた日本人男性N氏が中に入ってきて僕もご一緒していいですか?と言うので、イイですよと僕もキャシーも快諾した。

彼は随分長く北欧、特にコペンハーゲンに長く逗留しているので、僕が案内しようとツアーガイドを申し出た。後で分かったが、実はキャシーと英語で会話したかったようだ。



昨日僕が歩いたのと同じコースを彼は導いた。やたら下手な英語でキャシーに向かって話しかけ、彼女の英語が分からないと僕にその意味を聞く。

例えば、exaggerate(大げさに言う)とか。N氏がやたら手を振り、「Really?! Wow!」と連発するのを見てキャシーがその単語を使ったのである。



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大分歩いて疲れたのでどこかで休憩し、段々通訳するのもバカらしくなってきたので市庁舎前で別れ、僕は単独で以前から見たかったクロンボー城 を見に行った。

ただ、N氏がレジスタンス博物館 を案内してくれたことには感謝している。

その中は反ナチス一色だったが。デンマークもノルウェーもヒットラーに占領された歴史を持っている。



実はその夜の夜行列車でストックホルムに行く予定になっていた。昨夜親しくなったSさん以外に二人で旅しているF氏とT氏とも夜遅くまで話して仲よくなり、翌日ストックホルムへ行くのを聞いて僕も加わることにしたのである。

つまり、4人でスエーデン、フィンランドを回ろうというわけだ。

僕はユースを出るときすでにチェックアウトを済まし、リュックを駅のロッカーに入れて置いたのである。そして、夜出発前には駅の隣にあるチボリ公園に集まることも決まっていた。



その時刻にキャシー、N氏と共にチボリに行くとみんな待っていた。実に楽しいコンパクトな遊園地でアラビアンナイト風大型ブランコが特に印象的だった。アメリカーノと言う名のチョコアイスクリームも美味しかった。

出発時間が近づいたので、駅に行った。我々総勢6人がコペンハーゲン駅を貸し切っている観があり、少しドラマチックだった。ただ、夜にもかかわらず白夜だったのが妙な具合だったが。間もなく列車は静かに動き出し、互いに手を振り合って僕はコペンハーゲンとキャシーからいったん離れた。


(写真はクロンボー城)




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