小雨の降る中、中型船は旗を激しくはためかせながら大洋から大河のようソグネフィヨルドに入って行った。氷河が峻険な山々を削って、そこにドッと海水が入り込んだのがこのフィヨルドとのことだが、最初は凄いと思って近接する山頂を見上げていたのが、慣れてくると流れのない大河を昇っているように感じ、飽きてきた。
寒いこともあり、僕は船室に入った。ドイツ留学帰りの彼はえらく興奮してずっとデッキにい続け、シャッターを押していた。
2、3時間で一番奥まった終点に到着。そこで何か食べ、近くの駅からオスロへ二人で向かった。オスロで彼と別れた。彼は帰国のためドイツへ向かい、僕はオスロ観光 してから、夜行列車で再度コペンハーゲンに戻るつもりだった。
ムンク美術館は瀟洒なところにポツンとあり、中は広々して自由な雰囲気で来訪者も三々五々だった。
やはり「叫び」
の前でしばらく佇み、見入ってしまった。あの歪む曲線がね、そしてやはり色彩が他のものとは違う、この世でただ一つ感があるね。
(実際には何枚か色合いの違う物があるそうだが・・・)
街に戻りウインドウショッピングしながら時を過ごした。実にこじんまりしたキュートな街だなと感心した。
早い目にオスロ駅で列車を待っていると、見知らぬ男が僕に近づいて来て、日本人かどうか確かめた後、パンフレットを見せて「この電気製品を日本で買って、この住所に送ってくれ。お金は製品が届いてから送金する」とのたまう。
「ええ加減にせえよ、」と関西弁で即座に断った。彼は何のことか分からず、暫くしたら諦めて去って行った。
間もなく列車が入って来た。
またまた夜行だ!
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