こんにちは。

カエルです。

 

本を読みました。

「恋するアダム」。

 

イアン・マキューアン/新潮クレスト

 

ストーリーはこうです。

物語の主人公チャーリーは、母親の遺産を使い

最新型アンドロイド「アダム」を購入。

アダムを恋の駆け引きに利用し、

以前から友人関係であり、

気持ちを寄せていた

上階に住む女子学生ミランダと

恋仲ピンクハートになることに成功。

しかし、アダムは彼女に恋心を抱きはじめ、

ミランダの抱える秘密も見え隠れし……… 

 

小説の時代は1982年。フォークランド紛争に英国が負け、

まだアラン・チューリング(エニグマを解読した方デス)が存在し、

このAIアダムを設計したとするパラレルワールドを設定。

なんともセンスあふれるストーリーは、

シニカルでどこか滑稽。

どんどん物語に引き込まれるのですが、、、、、

さて恋するアダムと三角関係のチャーリー、

ミランダの物語は

どんな結末を迎えるのでしょうか?

 

カエルは作者のイアン・マキューアンがわりと好き爆  笑

「アムステルダム」や映画化された「贖罪」などの作品は、

日本でもヒットしました。

独特なストーリー展開で、

なるほど、そうきたか、と、

毎作品ごとに唸らせてくれるのが

マキューアンの作品の楽しさでしょうかね。

「憂鬱な10か月」なんて、胎児が主人公だからねー。

 

さて、AIです。

人口知能とは果たしてなんぞや?? 

という疑問を改めて持った次第です。

これまで深く考えたことはないAI。

ぱっさぱさな知識で、ロボット、アトム? ペッパーくん?? 

などと安易な連想ゲームになるカエル。

だがしかし、本来のAIとはそんな一元的なもんじゃないわけで、

そこんところを理解するまもなく、

われわれの生活の中にはすでにしっかりAIが根付き、

活用され、より生活を豊かに(多分)してくれております。

それがいいことか悪いことかもわからずにね、

(これが現代の怖いところでもあるんだが。)

 

 

アダムは日々、ディープラーニングをおこなってます。

せっせせっせ。メモ

得たその豊かな知識をもってして、

シェークスピア文学を愛し、

俳句を読むのです!!

知的な才能にあふれ、

「愛」を知ることだってできるのです。

 

アダムの中には「愛」ラブラブとともに

確固たる「正義」があります。

アダムの「正義」は、

真実から目を背けないということにつきる。

面倒なことに蓋をし、

都合の悪い真実を隠すことが常態化している現代人にとって、

AIとは必要だが付き合いにくいモノかもしれない。

 

われわれはAIに何を求めるのか? 

彼らが社会の一員として本当に機能していくのか? 

求めれば必ず真実を口にするアダム、

忖度のないアダムは、

本当はどんな存在なのか? 

AIを有効的(そして友好的)に

機能させるためにはこの社会に

どんな変化が求められていくのか?

そんなことを考えるきっかけになった物語でございました。

作者のマキューアンは、

生きにくい、とされる現代で、

生きる意味やいかに生きるのかを

ともに考えようとしているのでしょう。

 

AIが大きな存在となる未来においては、

真実ではない「物語」本(文学)も不必要となるのですかね? 

しかしながらアダムは

シェークスピア文学を理解し感動する。

文学の中の真実を、

われわれ以上に知り得ることができたのでしょう。

 

人であれば、「愛」ゆえに、許したり盲目になったり、

ときに罪深くなるものですが、

アダムには「愛」とともに

譲れない「正義」があることで、

3人の関係もいろいろな方向に漂っていきます。

 

「大人」としてスイッチを入れられ、

子どものように遊びや体験を通して

人格が成り立っていくわけではないAI。

それが歪な人格を形成するのであれば、

いかに子ども時代が大切なものか、を再確認。

このコロナの時代、

いろいろな我慢を強いられている

子どもたちのことを考えると、

不条理を憂いてしまいますショボーン

 

そして物語の最後に、

アダムは、チャーリーは、ミランダは

何を選択するのか?? 

興味のある方はぜひ本を手に取ってください。

とても面白い作品でしたアップ

 

そうそう最後になりますが、

この作品、ビートルズをBGMに

読むと楽しいね。

やっぱいいですなグリーンハーツビートルズ音符

 

読んでて「LAVOT」が欲しくなったカエル。

お友達が欲しいのじゃドキドキドキドキ

 

ではまた。

カエル