【第7回選抜総選挙】てもでもの先に | とある九州のAKB48ファン~神推しは小嶋陽菜~

とある九州のAKB48ファン~神推しは小嶋陽菜~

秋葉原から約900km離れた九州のとある地より。立場は在宅。されど、思いの丈なら負けない!

そのアイドル性は、48グループでも随一と謳われる。
握手会での「神対応」も語り草になっている。
それでも、決して「センター」になることもなければ、
他の有力メンバーほどの活躍もできてはいない。

決してそんなこともないのかもしれないけれど、
自分の中ではなぜか「不遇」のイメージが付きまとう。
完璧すぎるが故の面白味のなさが、
何か邪魔をしているかのようにさえ感じられるほどだ。

それでも、自らのポリシーを曲げることは決してない。
すべては、自身のファンを喜ばせるために。





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1999年夏、地元の鹿児島にやってきた、
モーニング娘。のコンサートを見に行ったことで、
モーニング娘。を追いかけるようになる。
中でも、1番の「推しメン」であったのが、
当時、そのアイドル性の高さで、
「センター」に立つこともあった石川梨華。
この石川梨華への傾倒こそが、
後の「アイドル」としての活動における、
柏木由紀の「アイドル」像のベースとなっていく。

過去にはモーニング娘。のオーディションも受けたが、
そのときは3次審査で落とされたという。
そして、それとほぼ同時期に受けようとしていたのが、
AKB48のオーディションであった。
1期生の時と2期生の時は、
母親からの猛反対にあったものの、
3期生の時に、ついに母親も根負けしたという。
結果は見事に一発合格であった。



鹿児島から母とともに上京し、
AKB48としての活動が始まった2007年。
当時から、同期である3期生の中では、
渡辺麻友とともにトップクラスの扱いであった。
AKB48の通算6枚目のシングル「BINGO!」では、
渡辺とともに、3期生として初めて「選抜」に入る。

しかし、この直後に待ち受けていたのが、
柏木由紀にとって最初の不遇の時代である。
その後リリースされるAKB48のシングルにおいて、
同期の渡辺が毎回「選抜」に入る中、
柏木は「選抜」から外されていたのだ。
その期間はおよそ半年でこそあったものの、
初めて味わった屈辱とも言えるだろう。



やがて、AKB48のシングルの「選抜」に復帰を果たすと、
2009年春には、現在の所属事務所である、
ワタナベエンターテインメント(以下ワタナベ)に移籍し、
事務所関連の仕事も増えるようになってくる。
その年の第1回選抜総選挙では、
並み居る先輩メンバーを抑えて9位に入った。
さらに、その年の組閣によって、
チームBのキャプテンにも任命された。
このころの柏木はまさに、飛ぶ鳥を落とす勢いであった。
しかし、迎えた第2回選抜総選挙では8位と、
前回よりも順位こそ上げたものの、
「神7」には手が届かずに終わっている。



それまで、AKB48の中でもそこまでいい扱いではなく、
3列目が定位置のようになっていた柏木が、
突如として脚光を浴びたのが、第3回選抜総選挙。
前回の8位から一気に3位へと急浮上し、
それまで自己最高位が4位だった渡辺麻友よりも先に、
3期生として初となるベスト3入りを果たしたのである。
このベスト3入りにより、当然周囲からは、
1位獲得への期待が高まっていくことになる。
当の本人も、1位奪取へ色気を示すようになってくる。
しかし、ここからの選抜総選挙での戦いもまた、
柏木にとっては不遇とも言える結果の連続であった。

まず第4回では、前回1位・前田敦子の不出馬により、
順位アップへの期待があったものの、
結果は3位と、前回から変わらず。
一方で、渡辺麻友が前回5位から一気に2位に浮上し、
柏木を抜き、3期生としての最高位を獲得する。
これ以降、柏木は選抜総選挙において、
常に渡辺の後塵を拝し続けることになる。

続く第5回では4位と、前回から順位を落とす。
しかもこのときは、5位であった篠田麻里子が、
開票イベントにおいて、壇上でのスピーチで、
突如として卒業発表をしたことでも知られており、
また、1位候補と目されていた渡辺麻友も3位と、
前回よりも順位を下げてしまったことで、
結果として、篠田と渡辺の注目度が高まり、
その間にいた柏木は割を食う形となった。

前回の第6回では3位に返り咲くものの、
このときも、2位になった指原莉乃の2連覇が潰え、
渡辺麻友が悲願の1位を獲得したことで、
その下にいた柏木への注目度はさほどでもなかった。



常に上位にこそいるものの、
「神7」のボーダー上で鎬を削ることもなければ、
1位争いを繰り広げるどころか、
2位の発表のときにさえまだ残っていたことがない柏木は、
ある意味、「神7」では空気のような存在にさえ思える。
あと一歩のところで決めきることができず、
結局は他のメンバーのお膳立てになる。
それが今までの柏木由紀の戦いぶりであった。



迎えた第7回選抜総選挙。
速報発表で柏木は、自己最高タイの2位につけた。
しかも、前回の速報発表からは約16,000票増と、
他のメンバーを圧倒するほどの得票数の伸びを見せている。
もっとも、どれだけ速報発表で票が入ろうと、
その後の得票の伸びには必ずしもつながらないため、
決していい流れであると断定もしづらいのだが、少なくとも、
何かしらの変化が起こっているようには感じられる。

地元・鹿児島からは離れているとはいえ、
同じ九州・福岡で開催される開票イベント。
自らが鹿児島県観光PRのCMに起用されるなど、
地元での評価も根強いと思われるだけに、
九州での開票イベント開催は、それなりにプラスに働くであろう。
あとは、何が何でも1位にしてやろうという周囲の気概が、
どこまで大きくなっていくかにかかっていると言えそうだ。



どれだけ「アイドル」としての道を貫いても、
AKB48のシングルの「選抜」の常連でも、
それでも手に届かなかった選抜総選挙の頂点。
今年で24歳となる柏木にとってみれば、
もうこれ以上の燻りなんか必要ないだろう。

仮に今回1位となれば、第4回の1位・大島優子を越えて、
史上最年長での選抜総選挙1位獲得となる。
これまで燻り続けてきた日々が、
歴史に残る偉業へとつながっていくのか。
てもでもの先に見えるその未来とは果たして…。