端的に表す「48クオリティ」 | とある九州のAKB48ファン~神推しは小嶋陽菜~

とある九州のAKB48ファン~神推しは小嶋陽菜~

秋葉原から約900km離れた九州のとある地より。立場は在宅。されど、思いの丈なら負けない!

かつて「おニャン子」という高校野球チームを優勝に導いた監督が、
秋葉原でイチから野球部を作り甲子園を目指した物語(BLOGOS 編集部)

および、

日本のコンテンツはなぜ海外で勝てないか――
AKB48生みの親、秋元康氏が語る(BLOGOS 編集部)


より、気になった部分を抜粋。





10月20日から22日まで、デジタルコンテンツ分野の国際的イベント
「DIGITAL CONTENT EXPO 2011」が都内で開催された。
21日には作詞家、放送作家、テレビ・音楽プロデューサーなど
数多くの顔を持つクリエーター、秋元康氏が講演し、
自身の手がけるアイドルユニット「AKB48」誕生にまつわるエピソードなどを語った。
以下、秋元氏の発言をまとめた。





「おニャン子クラブやその他のアイドルとの差別化」より

おニャン子は特訓しません、レッスンもしません。
モーニング娘。は特訓し、レッスンして、才能を発揮しました。
一方でAKB48は過程を見るドキュメンタリーです。
どのように成長するかを楽しみます。



素人っぽさを売りにしていたのが「おニャン子」であり、
プロとしての完璧さを追求したのが「モー娘。」であるなら、
AKB48は、素人からプロになるまでの過程を共有することが売り。
だから、「卒業」というのは、プロとして認められた証ということであるはず。
ただ、それを明確に体現できているOGは、まだ数えるほどですが…。





「AKB48のメンバーであるための基準とは」より

歌、ダンス、演技がうまいとかいろいろありますが、結局は人が魅力なんです。
AKB48というグループに存在することによって、
あなたは何を見せたいのか、ということです。
ある子はブログが面白かったり、ある子はコントで間を取るのが上手かったり、
ある子は絵を書くのが上手だったりとか、将来的には何の才能があるかわからない。
でも見習いで入ってから、
絵の才能や作詞の才能とか何でも試す場になればいいと思っています。



事実、AKB48を「卒業」してから、
歌やダンスとはかけ離れた分野に進出したOGもいますし、
現在のメンバーの中にも、声優業やラジオパーソナリティーなど、
歌やダンスとは一線を画した分野で頭角を現したメンバーがたくさんいます。
AKB48というのは、そういった才能を開かせるための場所ということでしょう。





「AKB48がK-POPと違うところ」より

前田敦子というエースは本当に不器用なんです。
すぐ顔に出てしまう。心にないことは言えません。だから、すごく誤解されます。
やる気がないように見えることもあり、「ぶすっとしている」とバッシングを受けました。
でもそれでいいんです。
もちろん他のメンバーのように、いつも挨拶できる子も魅力的ですが、
でも前田敦子みたいな子がいてもいいと思っています。

「秋元さん、前田敦子に注意しなくていいのか」と言われるが、
まあいいと思っています。
板野友美が17~18歳のときに髪を染めてきたことがありました。
周りのみんなは黒髪なのに、です。
でもまあ、ああいう娘はクラスに1人いてもいいと思います。
みんなが同じでなくてもいい。
教育とは、全部が同じじゃなくてもいい、ということなんです。



いわゆる「型をはめる」というやり方を嫌うのが「48クオリティ」ということでしょう。
たとえ世間からバッシングを浴びようと、自分がいいと思った個性は、
無理をしてまでなくしてしまう必要はないということです。
事実、あっちゃん(前田敦子)には批判の声もある一方で、
根強い「推し」もいたりするわけで、そういった層に対しては、
前田敦子という存在が受け入れられてるわけですし。

仮に、1つのグループを1つのタイプのメンバーだけに固めてしまうと、
そのタイプが気に入らなかった場合に、他の選択肢がなくなります。
ただ、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ…と、いろいろなタイプを揃えておけば、
たとえAタイプが気に入らなかったとしても、
BタイプやCタイプが受け入れられるといったように、
どこかしらで客層をつかむことが可能になるのです。
そして、その究極の形こそが、
AKB48をはじめとする「48グループ」ということです。





「日本のコンテンツが海外で成功する方法」より

僕らは欧米に憧れて、音楽やファッションを真似してきました。
でも同じことをやっても彼らは越えられないんです。
日本人が同じことをやったって相手にしてくれない。
でも、例えば日本のホラーは海外でブームになりました。
リングのリメイク、呪怨のリメイクが出たりして、
つまり日本にしかない「怨念」みたいな感覚がウケた。
日本にしかないもので挑戦すればいいんです。

納豆に例えてみましょう。
納豆を国外に輸出するとき、
まず「においが無理ではないか」という意見が出て、
じゃあ匂いを消しましょう、ねばりも無理だろうからねばりも消しましょう。
こんなふうに我々は欧米のスタイルに合わせてきました。
でもそんな納豆なんて誰も食べない。

AKB48は納豆なんです。歌やダンスはヘタ。
でもそういう納豆をみんなが味わっている様子がYouTubeで広まって、
納豆の味がわからないとだめだよね、という雰囲気になった。
こういうのがウケそうとか余計なマーケティングはしないほうがいいんです。
迎合してしまうだけですから。やってみなければ何もわからない。



これも、「無理をしてまで個性を潰さなくてもいい」ということでしょう。
結局、向こうのニーズに合わせてしまったら、
それはもはや「向こうのモノの二番煎じ」であり、
到底「本家」を超えるものには至らないでしょう。
それならば、自分たち特有の個性でとことん勝負した方が、
成功への近道になるのではないかということです。

今や、海外にまで人気が飛び火している感のあるAKB48ですが、
その裏には、AKB48特有のシステムであるとか、
「選抜総選挙」、「じゃんけん大会」というオリジナリティーが、
大いに受け入れられたということが大きいのだと思います。





「止まっている時計は1日に2度、正しい時間を示す」より

自分も面白いと思わない限り、
ターゲットが誰であれ、面白いものにはならない。
コンテンツが当たる時はドミノ倒しのように広まる。
まず自分が倒れないと他には誰も倒れない。
それまでの僕は「みんなこういうの好きでしょ」って立ちっ放しで作っていました。
でも自分も倒れるくらい面白くなければだめだったんで す。

周りを見ながら作るのではなく、自分が良いと思うものを作る。
止まっている時計は1日に2度、正しい時間を示します。
でも周りをうかがっていると絶対に合わない。
正しい時間を追いかけ続けるだけです。



世間一般の声に無理やりに合わせていくのではなく、
自分が面白いと思うことだけを発進していく、といった感じに取れます。
あっちゃんをセンターに置くのも、「選抜総選挙」を実行したのも、
結局、自分がいいと思ったからこそなんでしょう。

正直なところ、すべての人のニーズに合わせたものなど作れるわけがありません。
そこに神経質になっていたら、何もできなくなってしまいます。
だからこそ、世間の需要に無理やり合わせにいくのではなく、
自分が心の底から納得できるものを作り上げて、
「ついてこれる人間だけついてこい」ということなんでしょう。
たとえ批判を浴びても、その方向性がブレないというのは、
こういったところに現れているのかもしれません。





AKB48の人気はすごいといいますが、
自分からしてみたら、まだまだ局地的な人気のように思います。
正直、今のAKB48のシステムは、万人には受け入れられないものだと思いますし。
でも、それで実績を残しているんですから、
結果としては成功ということなんでしょう。

考えてみたら、何だかんだ批判をされながらも、
AKB48が今の人気を得ているということは、
それだけ、今の時代にAKB48が受け入れられているということなんでしょう。
ただ、万人がAKB48を受け入れているわけではなく、
そういった人たちのための、AKB48とは別の個性を持つ「受け口」も、
近年では続々と誕生しているわけです。
(「ぱすぽ☆」しかり、「SUPER☆GiRLS」しかり)





結局、AKB48がこれだけ売れているのは、
今の時代と歯車が噛み合ったが故であって、
今後、その歯車が変わってくるようなら、
今の情勢にもきっと変化が生じてくるはずなのです。
そのときに、AKB48は、歯車に合わせるためにシフトチェンジするのか、
それとも、「自分たちの役目は終わった」と潔く手を引くのか…。
いずれ来るであろうそのときの身の振り方に注目してみたいものです。