最近殆ど記事を書いていないので、古い記事「ツレうつ」(1)に「いいね!」を頂きました。
なんか申し訳ない気がします。
「ツレうつ」と同じようなタイトルの漫画「うつヌケ」が発行部数18万部の大ヒットとなり話題になっているということで読んでみました。タイトルからして「ツレうつ」を意識した出版であることは間違いないでしょう。
「ツレうつ」は、以前の記事(1)で書いたように「黒幕」が誰なのかは分かっています。
NHKのドラマ化の際には、「野村総一郎氏」が、映画化に関しては、日本うつ病学会評議員、日本精神科救急学会理事の「五十嵐良雄氏」が医事監修を務めています。
「うつヌケ」の主人公のモデルは、10年間うつ病に苦しんできた作者の田中圭一さん。田中さんに加え著名人から一般の人まで18人の実体験(ロックミュージシャンの大槻ケンヂさんも登場)が描かれています。いろんな人の、さまざまな体験に接し、「自分だけじゃない」ということを知ることができるのは貴重な体験だと思います。
私が自分自身の体験談をブログに書き綴った訳も、誰かの参考になれば… ということですから。
読んでみて、危惧した通り精神科処方薬の記述が少ないと感じました。
強いて挙げるとすれば143頁の
「またしても眠れない日々、無理に眠ろうとして服用したハルシオンの副作用による記憶の混濁」
ここぐらいでした。
全体の読後感は「精神科」での薬物治療を肯定する内容です。
中でも、看過できないのが下記の個所
「最後に今も苦しんでいる人たちに伝えたいことがあります」と前置きして
「その薬が合わずに治らなかったわずか数パーセントの人が、民間療法や代替医療に走るわけです。にもかかわらず「薬を使わない方が正しい」という声の方が大きく聞こえてきますよね。
― 中 略 ―
ボクはまず西洋医学の力を信じることを奨めたいです」(58p)
「治らなかったわずか数パーセントの人」だって ?! 何を根拠にしているんでしょうか。
きっと薬物治療肯定派から示されたデータを作者は鵜呑みにしてしまったのでしょうか…
この本を紹介しているNHKの番組ウェブサイト(2)に馴染のある名前が記載されていました。
「実際に描かれているエピソードも、実体験だというところに説得力があると思いました。この漫画を読んだ専門医の樋口輝彦(ひぐち・てるひこ)さんは、『まずは専門医のところに行って診断と治療を受けてほしい。けれどもこの漫画にはうつ病の人にとって回復するヒントになることが書かれているのではと感じた』とおっしゃっていました。」
樋口輝彦… やっぱり って感じですね。
この名前にピンとこない読者の方は、過去記事を読んでください。何度も登場しますから…
「専門医のところに行って診断と治療を受けてほしい…」
精神科に「おいでおいで」のコメントです。
私を含め「精神科治療薬」の問題点を指摘している人は、「西洋医学」を否定などしていません。
一部の会社(特にGSK等)の抗うつ剤の作用機序や販売マーケティング手法に疑念を呈しているのです。
「うつヌケ」を読んで「安易」に精神科のドアを開いてしまう人が
また増えてしまうのではないかという懸念を感じています。
nico
参考・引用
(1)「ツレうつ」の功罪
http://ameblo.jp/nicolas2012/entry-11247745456.html
(1)「ツレうつ」の真実
http://ameblo.jp/nicolas2012/entry-11291619229.html
(1)映画「ツレがうつになりまして。」
http://ameblo.jp/nicolas2012/entry-11488597759.html
(2)18万部のヒット なぜ?
http://www9.nhk.or.jp/nw9/digest/2017/04/0420.html