精神医学 vs 反精神医学 | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

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いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

下記の記事は

2013年05月30日(木)掲載の

精神医学 vs 反精神医学 

に加筆修正したものです。

 

 

 

巨大製薬会社の動かすマネーが、国家予算に匹敵するまでに膨らんでしまった21世紀、

 

医療産業は世界各国において様々な功罪をもたらしている。

 

特に、「精神医療」の分野では「肯定派」と「反対派」の議論は、もう何十年も続いている。

 

ところで、Wiki で「反精神医療」と検索しても「反精神医学」にジャンプする。

 

まぁ 「反精神医療」とは「反精神医学」に基づく「医療」であるから同じようなことだろうと思い

 

ちょっと調べてみた。

 

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精神医学

 

精神医学(英語: psychiatry)は、医学の一分野で、各種精神疾患に関する診断、治療、研究を行うものである。

 

20世紀

20 世紀に入るとともに、力動的な症状論を展開するオイゲン・ブロイラー、精神分析を創始したジークムント・フロイト、現象学の導入により方法論を整備したカール・ヤスパースら、新たな勢力が台頭した。

とくにフロイトによる、疾患を無意識の力動や生育早期の外傷体験など心因によって理解・分類し、それを言語的に解釈することによって治療するという精神分析の流れが精神医学にも浸透し、20世紀中葉のアメリカ合衆国を中心にかなりの隆盛を見せた。精神分析学を基礎とする精神医学は力動的精神医学と呼ばれる。

 

1950年代に入って、向精神薬の開発により、生物学的精神医学はようやく実用的レベルの段階に達した。1949年にリチウムに抗躁作用があることが見つかり, 1952年にクロルプロマジン(従来は麻酔前の人工冬眠に使用していた薬であるが)とレセルピンが作られ,これらに劇的な抗精神病作用があることが分かった(この年をもって精神薬理学誕生とされることがある)。さらに、1958年には最初の抗うつ薬であるイミプラミンが合成された。

精神薬理学の発達はその後、治療だけでなく、精神疾患のメカニズムの一部、特に中枢神経内での薬物作用の機序についての知識(神経生化学)を急速に発展させることになる。一方、治療面では、向精神薬の登場で統合失調症(2002年までの旧称は精神分裂病)の幻覚妄想をかなりの確率で抑制できるようになり、それまで精神病院で一生過ごすしかなかった患者が退院できるようになった。これが1960年代からの社会防衛的入院から外来治療への転換を生んだ。

 

米国精神医学会(APA)による診断基準「DSM」の第1版、第2版では、記述的分類と病因に基づいた分類が混在していた。当時は、科学の発展に伴っていずれは各々の精神疾患に対する脳の障害部位が特定されていくものと期待されていたからである。

 

DSM第3版(DSM-III)では編集方針が変わり、症状に基づいた分類が採用され、病因に基づいた分類は極端に排斥された。現在臨床で用いられているDSM第4版(DSM-IV)や国際疾病分類第10版(ICD-10)もその流れに続いている。このことによって、ようやく他の医学領域と同様に、根拠に基づいた医療を可能にする基礎ができた。

 

それでも力動的精神医学は1960年代まではアメリカを中心に盛んに行われていたが、DSM(第3版以降)に代表される操作的診断基準の台頭や生物学的精神医学の進歩に伴い、精神医学における精神疾患の成因・経過の説明法としては科学的でないと考えられるようになってきた。ただし、いまだヒトの脳内の物理現象が生理学的にどのような精神活動・現実的行動として具現化するのかという高次心理過程の研究は途上の段階にあるため、臨床現場においては、薬物治療などの対症療法を中心とした生物学的精神医学に基づく精神薬理学・大脳生理学的アプローチと、精神療法や心理カウンセリングなどの精神病理学・臨床心理学的アプローチを折衷して治療にあたる場合が多い。また、精神科加療中の患者の重大犯罪などをきっかけとして、各種発達障害、触法患者の処遇の問題などが新たに着目されている。

 

21世紀

製薬会社のマーケティングや保険医療経済上の支配力が精神医療を含む医療全体を圧倒するようになった。

疫学的な大規模調査研究が進み、コモンメンタルディスオーダーとしての精神疾患が唱えられるようになった。操作的診断基準の不適切な使用などにより、相対的に純粋なうつ病患者が減少し神経症的・適応障害的なうつ病患者が増加した。精神薬理学の進歩などにより、重度の統合失調症が減少し軽度の統合失調症が増加した。さらに、広汎性発達障害というカテゴリーが新たに加わり、これまで統合失調症、パーソナリティ障害に含まれていた患者の再編成がなされている。

 

治療

現在行われている治療法は、主として以下のようなものがある(保険診療で認められていないものも含む)。疾患の種類や状態により用いられる治療法は異なる。

 

脳に直接作用する治療

薬物療法、電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激、光療法、断眠療法、脳深部刺激療法

言語のやり取りを主とする治療

来談者中心療法、精神分析療法、家族療法、集団精神療法、認知療法、心理教育など

非言語的なやり取りを主とする治療

作業療法、自律訓練法、臨床動作法など

社会的な治療

家庭環境や職場環境の調整、ジョブコーチ、訪問看護、デイケア、自助グループ(断酒会)など

 

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反精神医学

 

反精神医学(英語: Anti-Psychiatry)とは、1950年代後半から1960年代にかけて、伝統的な精神医学の理論と治療上の処置に対して提起された批判的な思想運動。

 

主な批判内容は、

1. 異常とみなされた人々の強制入院は基本的人権の侵害である

2. 精神医学は社会的逸脱にある種の精神病というラベルを付与する<社会統制>の一形態である

3. 狂気がアサイラム(1)の必要性を産み出すのではなく、アサイラムが狂人の必要性を産み出す

4. 診断上のカテゴリーが表現しているのは、中立的な科学ではなく支配的な一群の価値なのであり、こうした診断上のラベルが使用されることによって精神的に病んでいる人々に烙印が押される

5. 精神医学が利用している電気けいれん療法のような治療上の処置は、人間の尊厳を傷つけるものであり、その効果も不確かなものである

 

反精神医学運動は、伝統的な形態に取って代わる一連のアプローチと処置を提示した。その根本的提案は、既存のアサイラムと精神病棟を閉鎖して、<地域医療>を選好することであった。

 

アサイラムが<全制的施設/全面的収容施設>であるとするアーヴィング・ゴッフマン(E.Goffman)の批判は、社会学の領域で影響力をもった。

1960年代以降では精神病院からの退出が進み、外来診療の利用が増大しているので、現代では精神医学に対する批判はそれほど強いものではない。この脱施設化あるいは脱監禁化が可能となったのは、一つには向精神薬が改良されたからであろう。

しかし、精神医学の批判者からは、この政策がもたらされたのは、それ以上に入院加療費の増大によるものである、と主張する。

 

(Wikipedia抜粋)

 

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精神的疾患は存在する。 

 

脳も身体の一部位である以上 病むことはある。

 

しかし軽度の神経症的・適応障害的なうつ病は、向精神薬を飲むよりも「対人関係」の整理や「生活環境改善」の方が「安全」と「効果」がある。これはもう、世界的な常識である。

 

医療技術や製薬技術が進歩すれば、病気になる人が減り治療期間は短くなるはずである。

 

それは医学や製薬の存在意義ではないのか。

 

しかし、現実は医療費は増え続け、病気だと診断される人数も増加している。

 

何かおかしくないか…

 

精神医学 vs 反精神医学

 

この対立は、医療産業とメディカル・リテラシーを備えた一般市民との戦いに変貌してきたように私には思えるのだが…

 

nico 

 

 

(1) 広汎性発達障害

広汎性発達障害(PDD, pervasive developmental disorders)とは、社会性の獲得やコミュニケーション能力の獲得といった、人間の基本的な機能の発達遅滞を特徴とする「発達障害における一領域」のことである。

伝統的には発達障害の概念を「広汎性発達障害」と「特異的発達障害」の領域に二分してきたが、特に2000年代以降の臨床医学においては発達障害の概念が整理し直されている。なお、発達障害は、各種の診断基準や疾病分類において精神疾患に含まれる。

 

(2)アサイラム (Asylum) 

精神薄弱者、孤児、障害者、老人などの保護施設。 閉鎖病棟、孤児院。

 

現在のwikipediaもほぼ同じ内容だが、最近加筆されている部分に興味深い記述がある。

(加筆部分下記参照)

https://ja.wikipedia.org/wiki/反精神医学