私たちが精査した文献は、脳内のノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニンの枯渇それ自体が印象的うつ症状の発症原因であるとは確証できないことをはっきりと示している。
1969年 イエール大学 マルコム・バワーズ
セロトニン作動性システムの機能の亢進や経過そのものが、うつ病に関係するとは考えられない
1984年 アメリカ国立精神衛生研究所
研究証拠からは、どの精神病の生化学的理論も裏付けることはできない。
1988年 ミシガン大学神経科学教授 エリオット・バレンスタイン
統合失調症の転帰は、継続的な薬物治療が標準的治療であるアメリカなどの富裕国よりも、抗精神病薬を定期的に服用する患者が16%に留まるインドやナイジェリアなどの貧困国の方がはるかによい。
1992年 WHO(世界保健機構)
統合失調症の原因はドーパミン機能の混乱であるという説には、確固とした証拠がない。
1994年 精神科医ジョン・ケーン
臨床的うつ病の原因が、何らかの生物学的な欠損状態である科学的証拠はない。
1995年 サウスウェスト医療センター コリン・ロス
うつ病患者547人を対象とした6年間の研究によると、積極的な治療を受けた人は治療しなかった人に比べ、「就労不能」となった人が約7倍、「基本的な社会役割の中断」が3倍である。
1995年 アメリカ国立精神衛生研究所
抗精神病薬は、統合失調症の症状の悪化に関係するような脳の形態的変化を引き起こす。
1998年 ペンシルベニア大学
精神障害の正確な原因(病因)はまだ分かっていない。
1999年 アメリカ公衆衛生局長官 デビット・サッチャー
長期間ベンゾジアゼピンを服用した人が薬を止めると「以前よりも敏捷になり、リラックスし、不安が緩和する」
1999年 ペンシルベニア大学
疫学的研究によると、今日の双極性障害の患者の長期的転帰は、「薬物療法」時代以前よりも著しく悪い。現代の方が、転帰が悪い原因は、抗うつ薬や抗精神病薬の「有害な影響」と思われる。
2000年 ハーバード大学医学部
モノアミンの不足がうつ病の原因であると言う明白で説得力のある証拠はない。つまり実態的なモノアミン欠乏症と言うものは存在しない。
2000年出版 Essential Psycarmacology
ドーパミン系の障害が統合失調症の主な原因であるという説得力のある証拠はない。
2002年 元・アメリカ国立精神衛生研究所・所長 スティーブ・ハイマン
うつ病を始めとする精神障害が脳のセロトニンの欠乏の結果であるという説得力のある証拠は一切見つからなかった。
2003年 スタンフォード大学精神科医 デビッド・バーンズ
15年にわたる研究で、抗精神病薬を「服用しなかった」統合失調症の患者の「40%」が回復したのに対し、「服用した」患者の場合は「5%」だった。
2007年 イリノイ大学
ADHDと診断された子どもを対象とした大規模な研究によると、3年後では「薬物の使用は、良好な転帰の指標ではなく、悪化の指標であった」。また薬物治療を受けた子どもは非行動な傾向が強く、身長がやや低かった。
2007年 アメリカ国立精神衛生研究所
双極性障害患者のアメリカ国内の調査によると、不良な転帰の主な予測因子は、抗うつ薬の服用だった。抗うつ薬を服用した人は、そうでない人に比べて急速交代型双極性障害になる可能性が約4倍であり、このことは長期的な転帰の悪化と関係している。
2008年 アメリカ国立精神衛生研究所
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上記のような「医療ニュース」は、ほとんど私たちの目に触れることはなかった。
製薬会社とAPA(アメリカ精神医療学会)が結託して、NAMI (患者家族会)を利用し、NIMH(アメリカ国立精神衛生研究所)を動かし、「隠匿」しようとしたのである。
この詳しい経緯は『心の病の「流行」と精神科治療薬の真実』の456P~490Pを読めば良く「理解」できる。
また別の視点からも下記のデーヴィッド・ヒーリーの記念講演 「科学の外観をまとまったグローバル・ビジネス」(1)
講演記録(5~36P)でも読み取ることができる。
つまり精神医療が事実を「隠匿」し、批判者を「黙らせた」ことが、「流行病」がこれほどまでに拡散した原因である。
では、何を「隠匿」したのか…
それは「精神障害の生物学的原因はいまだに解明されていない」という事実や、クスリは脳内の化学的アンバランスを修正するのではなく「神経伝達回路の正常な機能の悪化を撹乱する」という事実。
そして服用した多くの人が経験する耐え難い「副作用」や「長期的な転帰が良くない」と言う事実。
個別の「副作用」に関する事例、そして「長期的な転帰が良くない」ことを示す研究事例や論文はあまりに多く存在する。それらを探し出し、読むことは可能である。
しかし、私たちはそんなことに時間を費やする必要はないだろう。
製薬会社と精神医学会、そして多くの精神科医が、こうした事実を「隠匿」するという手段を弄さざるを得なかったこと自体に説得力があり、「精神科の薬物治療」の「危険性」を雄弁に物語っている。
私たちは精神障害について、壮大にして単純な神経科学的説明を探求してきたが、ついぞ見つけることはできなかった。(2005年 Psychological Medicine 編集長 ケネス・ケンドラー)
もしそうだとすると、次に大きな疑問が湧いてくる。
精神科治療薬、つまり「向精神薬」は脳の化学的異常を修正していないなら、いったい何をしているのだろうか。(2)
「投薬中心の治療」パラダイムは、思いもよらないかたちで、この現代の流行病を促進しているのではないだろうか。(3)
うつ病や統合失調症と診断された人々は本当に脳内の科学的バランスが崩れていてそれが薬で修正されるのか。
精神科治療薬は本当に脳内の化学的異常を治す治療薬なのか。(4)
そして一番「憂慮すべき」ことは、親たちが「科学的情報の空白」の中で、子どもに薬を飲ませるかどうかを決断しなければならなかったという事実である。。
子どもは本当に脳内の化学物質のバランスが崩れていたのだろうか。
ADHDや小児双極性障害の薬物治療が「長期的」に有益であることを示す研究はあったのだろうか。(5)
向精神薬によって一時的に症状の緩和があったとしても、抗精神病薬が含まれる多剤処方を子ども達に服用させ続けると、身体にはどんな影響が及ぶのだろうか? 子ども達はやがて健康な若者、健康な大人になれるのだろうか??
そのような調査を我が国では誰もしようとはしない。
どう考えても、何度熟考しても
子ども達が「精神科治療薬」を飲み続けることは「危険」過ぎると私は考える。
nico
出典・引用
(1)デーヴィッド・ヒーリー記念講演
2006年12月3日 薬害エイズ裁判和解10周年記念
「くりかえされる薬害の原因は何か」
http://www.yakugai.gr.jp/topics/file/20061203_lecture_ja.pdf
『心の病の「流行」と精神科治療薬の真実』
(2)118P、(3)27P、(4)100P、(5)61P