「需要」があるから、その需要を満たす「供給者」が現れる、もちろん動機は「金儲け」です。
これが、ごく一般的な「市場原理」
「供給」が先にあり、製品やサービス(商品)が提供されると、「需要喚起」しなければ、その商品は売れ残ってしまいます。
そのような場合、多くの「供給者」は「広告宣伝」を検討します。
良い考えが思いつかないとき、「専門家」であろうとされている、「広告代理店」や「マーケティング会社」に
売れ残った在庫を処分する為に「戦略」の立案や広告の実施を依頼します。
そこに無理が生まれます。
私も以前、「専門家」といわれる業界に属していました。いわゆる「広告プランナー」という職種。
時折「広告屋」などと呼ばれたりもしました。
私の時代は「パワーポイント」もなく、A4サイズの10頁程度の「企画書」が主流でした。
そこに何が書かれているかと言うと…
「このように広告すれば新しいユーザーを獲得できます。
隠れていた顧客がここに居ます。
このように広告すれば、みんな買いたくなります…」
そう 全て広告屋の妄想による「仮説」ですよ。
一番効果的なのは、消費者の不安を煽る戦略でした。
「将来、これが『主流』なります。早く買わないと時代遅れになりますよ」
とか
「これを持っていれば『もう安心』ですよ」
ところで「体重計の発明」で、「病名」が著しく増加したそうです。
体重計が広く出てきたのが1870年ごろのことです。
そして1870年代において、初めて精神医学の文献の中で「摂食障害」という問題が出てくるようになってきました。
現代では「メタボ数値」の認知で「血圧計」の売上が伸びたそうです。
そして「病名」が著しく増加しました…
「メタボ数値」(1)(厚労省HP)
腹囲(へそ周り) 男性 85cm以上
女性 90cm以上
中性脂肪 150mg/dL以上
HDLコレステロール 40mg/dL未満
最高(収縮期)血圧 130mmHg以上
最低(拡張期)血圧 85mmHg以上
空腹時血糖値 110mg/dL以上
どれかに該当しそうで不安になります…
精神医療では、広告屋が暗躍する「疾病喧伝」が横行しています。
そして「不安作り」に、国も加担しています。
学校や職場での「メンタルヘルスチェック」、
プライマリードクターによる「精神科医」への受け渡し。(私の場合がそうでした)
今日は、2006年12月3日のデーヴィッド・ヒーリー氏の「記念講演」(2)
『科学の外観をまとまったグローバル・ビジネス』の言葉で終えたいと思います。
「医薬品メーカーはマーケティング部が牛耳るようになってきました。
もはや「医薬品会社」と呼ぶにはふさわしくありません、
『マーケティング会社』と言うべきかもしれません。」
あなたは「マーケティング会社」に命を預けますか・・・?
私は嫌です。
nico
参考・引用
(1)メタボリックシンドロームの診断基準(厚労省HP)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/metabo02/kiso/check/
(2)「科学の外観をまとまったグローバル・ビジネス」David Healy
http://www.yakugai.gr.jp/topics/file/20061203_lecture_ja.pdf