製薬業界の「常套手段」 | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

 

Disease Mongering

 

無理矢理にカタカナにすると・・・ 「ディジーズ・モングリング

 

Mongering・・・ 馴染のない単語です。

 

辞書によるとmonger」の現在分詞。〇〇〇商人、〇〇〇屋、と書いてあった。

 

Mongering」は「売り歩く」とか「掛け声をかけて売りさばく」といったニュアンスだろう・・・

 

日本語でも「○○屋」ということばに多少とも「侮蔑的」な響きがあるように

 

英語の「monger」という言葉にも「蔑み」の意味が込められている感じがする。

 

私も「広告屋」と仲のいい友人から言われたことがあるな・・・

 

冒頭の「Disease Mongering」は「定着した和訳」はないようだが、「疾患喧伝(しっぺいけんでん)」という和訳が一般的になってきている。

 

「喧伝」は、さかんに言いふれて、世間に広めることである。

 

精神医療の「あれも病気」「これも病気」・・・ は、間違いなく「疾病喧伝」だと思う。

 

7年前の2006年、別府先生の「薬害オンブズパーソン会議」が「Disease Mongeringの記事を書かれていた。

 

以下はその抜粋です。

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

疾病啓発キャンペーンが健康人を病人に変える

 

Disease Mongeringとは、「病気を売り歩く」という意味であり、ここでは「病気作り」と訳したが、製薬企業が医薬品という商品の売り上げを増すために、疾病啓発を名目として、新聞やテレビなどを通じ市民に対し直接働きかける「疾病啓発広告・キャンペーン」の問題点を掘り下げたものである。

 

 英国医師会が発行するBMJ2006415日号が、この病気作り(Disease Mongering)の国際会議と雑誌特集を記事にしているので紹介する。以下は要約である。

 

 オーストラリアのニューキャッスルで開催された「病気作り(Disease Mongering)」をテーマとする国際会議に参加した研究者グループは、診断されていない疾病について市民が気づくのを助けるというメディアや広告のキャンペーンは、実際には医薬品の新たな使用者を開拓する製薬企業にとっての販促手段であると、指摘している。

 

 この会議に時期を合わせてプロス・メディスン誌が特集を組んでいる。この特集の客員編集者であるニューキャッスル大学のディビッド・ヘンリー氏と、BMJ誌の寄稿者でジャーナリストのレイ・モニハン氏は、今回の会議のオーガナイザー(組織者)でもある。彼らは、企業が出費した疾病啓発キャンペーンが、健康人を病人に変え、薬害の被害者になるリスクを負わせると述べている。

 

 ヘンリー医師は、この疾病啓発キャンペーンでは、製薬企業の販売促進部門、ジャーナリスト、患者権利擁護団体による事実上の同盟関係が出来ていると述べている。モニハン氏は、しはしば製薬企業から資金援助を受けている患者権利擁護団体が、疾病を広げることに進んで協力するパートナーとなっていると述べている。

 

 プロス・メディスン誌では、「病気作り(Disease Mongering)」として、男性・女性の性機能障害、ADHD(注意欠陥多動障害)、双極性障害、下肢静止不能症候群(RLS)にスポットライトを当てている。

 

 そのひとつに、2003グラクソスミスクライン(GSK)2003年に行った下肢静止不能症候群(RLS)の疾病啓発キャンペーンがある。GSKは、ロピニロール(商品名レクイップ)に関連し、RLSを広く存在しているが診断されていない疾患として、大々的にキャンペーンした。著者たちは、33の新聞報道を分析したところ、ジャーナリストたちが根拠に乏しい罹患率を無批判に受け入れ、薬物治療の有用性を過大評価していることを見出した。オロシン医師は、「通常、健康関連記事はしばしば批判的精神を欠いており、RLSとロピニロールについてもそうであっても驚くにはあたらない」と語った。

 

 米国FDAは昨年、RKSの治療薬としてロピニロールを販売承認した。そしてRLSは今や米国市民にむけてのGSKの広告キャンペーンの対象となっている。

 

広告は市民の受診を増加させている。これらのキャンペーンは、医師に対する医薬品自身の激しい販売促進と並行して行われる。

 

モニハン氏は、「このような広告はしばしば知らず知らずのうちに浸透するので油断ができない。真面目な医療機関はこれらに対する統制を強める必要がある」と語った。

 

 日本でもこの「疾病啓発広告・キャンペーン」が非常に盛んになっており、ある医療機関の職場で「うつ病啓発キャンペーン」の「あなたにはこんな症状はありませんか」の物指しを自分自身に試みてみたら、20人中13人がうつ病の疑いがあるという結果になったなど、笑えぬ事実がある。

 

 当会議では、抗うつ剤SSRIで疾病啓発広告・キャンペーンの問題に取り組んできた

 

今後もこのようなDisease MongeringないしはMedicalization(メディカリゼーション、医療化)といわれる「病気作り」・「病人作り」・「薬漬け」の動きは、強まりこそすれ弱まることはないと予想され、DTCA(医療用医薬品を製薬企業が患者・市民に直接広告)の問題とともに、今後も大きな取り組みの課題となると考えている。

 

(転載 : 薬害オンブズパーソン会議 ウェブサイト )

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

鋭い指摘ですね!!

 

「病気作り」→「病人作り」→「薬漬け」・・・

製薬業界の「疾病喧伝」は「常套手段」です。

 

みなさん、注意してくださいね・・・

 

nico

 

 

健康人を病人に変える

http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=123