「向精神薬から子どもを守る会」のメンバーから、医者の書いた面白い本があるから、という情報をもらい、早速ネット購入して読んでみました。
タイトルは「抗不安薬による常用量依存」 副題が刺激的です!!
恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、精神安定剤の罠、日本医学の闇
「無関心」「罠」「闇」ですか・・・ まるで「ニコ呟・・・」みたい。
もう一冊は、医療関係者専門誌の「臨床精神薬理」6月号
ベンゾジアゼピンの特集でした・・・
「抗不安薬による常用量依存」に関しては後日記事にします。
「臨床精神薬理」6月号
専門誌ですから難解ですが、精神科医の「本音」が見えてきました。
「臨床薬理」ですから、当然「薬物療法」には肯定的です。
しかし・・・
SSRIやベンゾジアゼピンの併用には科学的根拠はなく、副作用の危険性が高くなるため行うべきではありません。それはむしろ副作用を助長し、患者にとっては不利益になることが多いです。
ベンゾジアゼピンを長期間飲み続けると、医師の処方でも依存状態になります。これを「常用量依存」といいます。
「常用量依存」のどこが悪いのかと開き直って向精神薬を処方している医者がいます。
「長期的にみて患者の役に立つかどうかよりも、短期で苦痛の軽減が得られて患者が処方医に感謝し、また来院してくれることの方が重要である」
これが、精神科医の「本音」ですね・・・
その根拠は「降圧剤のディオバンや血糖降下剤のインスリンを長期投与することと
SSRIやベンゾジアゼピンの長期投与のどこが違うのか。」
「ベンゾジアゼピンによって穏やかな生活を送ることができるのであれば、それでよいではないか」という意見です。
まず、高血圧や糖尿病の場合、降圧剤やインシュリンは患者にとって代替のクスリのない必須な薬物治療です。
しかし「精神医療」で扱う、「痛み」、「不眠」、「不安」症状においては別の薬やサプリメント、食餌療法、生活習慣改善でも「症状を抑える」ことは可能であり、SSRIやベンゾジアゼピンは「必須」とは言えません。
例えば、「頭痛」なら「鎮痛剤」、「不眠」なら「早起きして朝日を浴びる」などです。
実際、わたしは「減薬・断薬」し、「メニュー改善」と「規則正しい生活」で「不眠」や「身体の震え」を治しました。
さらに「ベンゾジアゼピンによって穏やかな生活を送ることができるのであれば有効な薬物処方だ」という意見・・・
そんなに「ベンゾジアゼピン」を処方したいのなら「4週間」までにしてください。
これは、「世界標準」です。
副作用の少ない患者さんに対しても効果があるのは「投与初期」数週間の睡眠改善効果や抗不安効果のみです。
やがて、薬に対する耐性がつき「効き」が悪くなります。
インフォームド・コンセントの観点から言えば、副作用や常用量依存を患者に説明せず、
4週間以上同じ量のベンゾジアゼピンを処方することは、インフォームド・コンセントの精神に反しています。
睡眠鎮静剤・抗不安薬の使用率は全科で約80%、内科は約93%、精神科は98%と報告されています(1)。
正直、内科の93%には驚きました・・・
もう、精神科だけの問題ではありません!!
あなたの主治医が、何カ月も、何年も、同じ量のベンゾジアゼピン系薬剤を処方し続ける医師でしたら
減薬・断薬治療に理解のある病院に転院される方が良いと思います。
減薬・断薬治療には「決断」も必要です。
参考になれば幸いです。
Nico
(1)医師に対する薬剤処方アンケート / アイ・エム・エス・ジャパン調べ