「日本うつ病学会」ガイドラインでベンゾジアゼピンの長期使用の危険性について警告してから1年以上経過したが、臨床の現場では、警告は無視されているとしか思えないような状態が続いている。
日本でもっとも使用頻度が多いベンゾジアゼピン系抗不安薬はデパス(エチゾラム)である。
しかし、デパスは正確にはベンゾジアゼピン系ではなく、チエノジアゼピン系である。
したがって、国際麻薬統制委員会の出す数字にはこのデパスが含まれておらず、
そのため、日本のベンゾジアゼピンの使用量は他の先進国の半分程度という数字になってしまっているそうだ。
デパスを含めると、日本の抗不安薬の使用量は世界最多の可能性がある。
にもかかわらず日本ではベンゾジアゼピンの使用期間の規定は全くない。
どうやら精神科医の「モラル」に頼っていたのでは自分と家族の命は守れないようだ・・・
最新の情報も入手したので、各国のベンゾジアゼピン系薬剤に関する「処方規制ガイドライン」を再度記事にしておきます。
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各国のベンゾジアゼピン処方規制ガイドライン抜粋
イギリス
委託品安全性委員会
ベンゾジアゼピンは短期的な救済(2-4週間のみ)に適用される。
ベンゾジアゼピンはうつ病を引き起こしたり悪化させ、また自殺の危険性を高める。
イギリス国立医療技術評価機構が定めた「2週間以上のベンゾジアゼピン投与は行わない」という文章を明示した。
カナダ
カナダ保険サービス
2-4週間以上の諸法について認可しない(カナダ保険省勧告)
ベンゾジアゼピンの長期処方にはリスクが存在する。不安・不眠について適切な利用及び薬物依存を避けるために、新規処方は注意深く観察すべきであり、処方期間は限られるべきである(不安には1-4週、不眠には14日まで)。
ニュージーランド
保健省
最近では依存性のリスクが知られており4週間を超えた使用は有害である。
デンマーク
国立衛生委員会
ベンゾジアゼピンの処方は、睡眠薬では最大2週間、抗不安薬では最大4週間に制限することを推奨する。
保健省の依存性薬物処方ガイドライン: 全般性不安障害・パニック障害・不安障害の第一選択肢は抗うつ薬である。依存性があるため、ベンゾジアゼピンの処方は非薬物療法などそれ以外全てで治療できない場合のみに限定されなければならない。処方期間は4週間を目処にしなければならない。長期間の治療は避けなければならない。
アイルランド
ベンゾジアゼピン委員会報告
ベンゾジアゼピンの処方は通常1ヶ月を超えるべきではない。
ノルウェー
国立衛生委員会
ベンゾジアゼピンの日常投与は4週間を超えてはならない。
スウェーデン
医薬品エージェンシー
薬物依存を引きこすため、不安の薬物療法にベンゾジアゼピンは避けるべきである。
薬物中毒の可能性があるためベンゾジアゼピンは数週間以上の治療には推奨されない。
香港
香港ではすべてのベンゾジアゼピンに対して1992年から通常の処方箋とは別に、供給と調剤について詳細な記録をつけることが求められる。(麻薬に準じた規制)
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上記に示した「国と地域」ではデパス(エチゾラム)は不認可のため処方されていません。
エチゾラムが使われているのは、日本とイタリア、韓国のみである。
4週間以上の処方は、期待できる効果よりリスクが上回る。
これだけ情報入手できるのに肩こりでデパスが何年も処方される日本・・・
日本は完全に精神医療の後進国となってしまった・・・
Nico