リスクとベネフィット
欠点と効果・・・ 悪い事と良い事・・・
リスクとは、ある行動に伴って(あるいは行動しないことによって)、危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する概念である。
これに倣えば、ベネフィットとは、ある行動に伴って(あるいは行動しないことによって)、安全になる可能性や得をする可能性を意味する概念と言えるだろう。
日々、あなたが目にする物、なにげなく行っている行動、利用するサービスにはリスクとベネフィットが共存している。
酒を飲むリスクとベネフィット
風呂上りのビールの喉越し、お気に入りのツマミで焼酎の水割りはたまりません。
でも飲み過ぎると肝硬変やアル中になってしまいます。
煙草を吸うリスクとベネフィット
休憩のコーヒーと煙草の一服は愛煙家にとっては至福のひとときです。
でも肺がんや肺気腫のリスクは高くなります。
あまり知られてはいませんが、ファストファッションのリスクとベネフィット
世界展開をしているファストファッションの製品はバングラデシュなどの発展途上国の子供達の不法労働により生産されています。
こんないい服がこの値段・・・ 思わず衝動買いをしてしまいます。
ネットで海外のサイトからクスリを買うリスクとベネフィット
日本で未承認のクスリやサプリもネットでなら買う事ができます、便利ですね。カナダのサイトなら安全かなと思っても、実はそのサイトは中国のサイト。中国では偽薬による死亡例が社会問題化しています。
身近なところで、人が移動する交通手段
徒歩でしか移動することが出来なかった人間は「自転車」「自動車」「飛行機」を発明することによって移動時間は短くなり、移動距離は著しく伸びました。
交通手段の進化は物流の増加による経済発展や、人々の交流による国際化や文化交流の促進によって人類は様々な「ベネフィット」を享受しました。
では、交通手段の進化が招いた「リスク」とは何でしょうか・・・
いろいろ考えられますが、一番のリスクは交通事故によって命を失うことでしょう。
最新の交通死亡事故発生状況を調べてみると、日本全国の年間死者数は「自転車」563人、「自動車」 1,471人(1)。
確率は調べられなかったので、アメリカの現状を見てみると・・・
アメリカ国内において自動車に乗って死亡事故に遭遇する確率は1万分の3、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は100万分の9だそうです(2)。
昨年のドリームジャンボでは、約143万分の1の確率で1億円の当選が出たようです。
宝くじの1等の当選確率は理論値として、一般的に約1000万分の1と言われています。
比較すると「宝くじに高額当選」するよりも、「交通事故で死亡する確率」のほうが高いようです・・・
クスリなら副作用(有害作用)と作用(効能)でしょうか・・・
全てのクスリには副作用があり、それは薬の注意書きに明記されています。
『クスリの名前 IF(インタビューフォーム)』と検索すれば、詳しく知ることができます。
ADHD患児を対象として国内で実施した治験の総症例216例中、副作用(臨床検査値異常を含む)は174例(80.6%)470件に認められたそうです。
その主なものは、食欲不振72例(33.3%)、初期不眠症29例(13.4%)、体重減少26例(12.0%)、食欲減退19例(8.8%)、頭痛18例(8.3%)、不眠症13例(6.0%)、腹痛12例(5.6%)、悪心12例(5.6%)、チック11例(5.1%)、発熱11例(5.1%)。
(コンサータ・インタビューフォーム抜粋)
みんな各々の「信条」や「価値観」に照らし合わせてメリットを享受するか、そのリスクを重視するか判断しています。
受けるメリットが大きければ、リスクがあっても人間はトライします。
病気かどうかも分からないのに危険なクスリを処方され、頭痛や不眠、食欲不振にとても高い確率でなってしまう。
しかもその確率は交通事故で死亡する確率の数百倍、数千倍・・・
宝くじなら「当選発表」まで「夢」を見ることができる。
「交通事故には気を付けて」「お酒の飲み過ぎはダメよ」こんな言葉は日常耳にするのに、
『向精神薬には気を付けて』『向精神薬の飲み過ぎはダメよ』と私は聞いたことはない・・・
私たちは「処方薬」に対し無防備過ぎはしないか・・・
医者に対し過大な信頼を寄せ過ぎてはいないか・・・
安全の概念のひとつに「安全とはリスクが小さいことである」というのがある。
職場における「メンタルヘルスチェック」、学校における製薬業界主導の「心の授業」の実施や「スクールカウンセラー」の配備・・・
それらのどこにリスクが潜んでいるか、ベネフィットはあるのか・・・
次世代を担う「子どもや若者」の安全のために、これからもよく考えていきたいと思う・・・
Nico
(1)2012年・警視庁交通総務課統計資料
(2)アメリカの国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという。アメリカ国内の航空会社だけを対象とした調査ではさらに低く0.000034%となる。
アメリカ国内において自動車に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.03%なので、その33分の1以下の確率ということになる。これは8200年間毎日無作為に選んだ航空機に乗って一度事故に遭うか遭わないかという確率である。これが「航空機は最も安全な交通手段」という説の根拠となっている。2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件の後、アメリカ人の多くが民間航空機による移動を避けて自家用車による移動を選択したために、同年の10月から12月までのアメリカにおける自動車事故による死者の数は前年比で約1,000人増加した。
(Wikipedia抜粋)