アメリカ精神医学会内部でも
『DSM-IVはその最大の欠陥にもかかわらず権威ある書物となり、カネを生み出すベストセラーになった。』
臨床精神医学教授・ローレン・モシャー
と批判の多いDSM-5が発表(出版)されたようだ・・・
Amazonでも購入できます。
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders: Dsm-5 American Psychiatric Association
アメリカ精神医学会のHPを覗いて見ると・・・
DSM-5 Implementation and Support
http://www.dsm5.org/Pages/Default.aspx
重要修正箇所として、『ADHD』『自閉症スペクトラム障害』『摂食障害』『強迫性障害』『人格障害』『社会不安障害』『死別の除外』などが記されています。
『死別の除外』・・・???
英語では『Bereavement Exclusion』・・・
Bereavement 『死別』 Exclusion『除外』・・・
ということは今までのDSMでは「死別」に遭遇した悲しみの状態を「心の病」としていたのか・・・?
家族・恋人・親友の突然の死に遭遇した時、人は「泣き」「悲しみ」「喪に服す」・・・
普段通りの精神状態であり続けることなど不可能である。
溺愛した「ペット」との死別でさえ人は悲しみに打ちひしがれる・・・
これらは、クスリを飲んで治るような「病」なんかじゃ決してない。
このような事例がDSMに基づく「ADHD」なんかで子供たちに向精神薬を処方しないで欲しいと言う「私の主張」の源である。
DSMの歴史は1952年に初版 (DSM-I) が出されて以降、随時改定され、2000年に第四版用修正版 (DSM-IV-TR) が発表されてから13年ぶりの改定である。アメリカ合衆国を主に、世界で50万部以上が普及している。
DSM-I
1952年発表。「反応」(reaction) の面から精神障害を3群に大別したものであった。
DSM-II
1968年発表。DSM-Iの基本概念を継承しているが、「反応」の言葉を廃し、「障害」を10群に大別した。
DSM-III
1980年発表。症候学的記述および量的基準を導入した新しい診断基準を採用、さらに多軸評定という新しい手法を導入した。障害概念も追加され、診断項目はほぼ倍増した。
DSM-III-R
1986年発表。DSM-IIIを基にした小改正版である。
DSM-IV
1994年発表。DSM-IIIの基本概念を踏襲しつつ、ICD-10との整合性確保を図るなどした改訂版。精神障害を16群に大別した。
DSM-IV-TR ('Text Revision' of the DSM-IV)
2000年発表。
DSM-5
2013年5月発表。ICD-10との統合も検討されている。
(Wikipedia抜粋)
精神科医があくまでも主観で「症状」あるいは患者との「問診」で診断が行われているため、手引きを読んで症状を偽られる詐病との区別がつかないと言う意味では科学的な根拠は無いと批判が存在する。
実際、日本においても「大阪西成区」における「貧困ビジネス」の一つとして、ある特定のグループが職のない人に対し「生活保護」を申請させた後、精神科を詐称受診させ、処方された向精神薬を転売する事例がメディアにスクープされ問題となった。
また、近年のMRIやPETの画像診断を駆使した脳解析学や脳神経科学等の進展により、精神科医によるDSMを基準とした問診による診断が時代遅れになりつつあるとの主張も存在している。
ただし脳解析学や脳神経科学等はいまだに初期の段階であり脳内の物理現象がどのように心理的現象として具現化するかなどの「因果関係」は科学的に証明はされていません。
近日中に「DSM-5」に関する様々な批評や論評を目にすることが出来るでしょう・・・
新しい情報を入手できましたら、また記事にしたいと思います。
Nico