Main Effect → メインエフェクト 薬の効能・作用のことです。
そして
Side Effect → サイドエフェクトとは副作用のことです。
アシュトン教授はアシュトンマニュアルのなかで、サイドエフェクトは有害作用と言うべきと言及されていました。
薬とは本質的に「Main Effect」が「Side Effect」を上回る効果があり、作用機序が科学的に合理的で実験などで証明可能なものだと考えます。
薬理学における作用機序あるいは作用機構とは、薬剤がその薬理学的効果を発揮するための特異的な生化学的相互作用を意味します。
作用機序では大抵、薬剤が結合する酵素あるいは受容体といった特定の分子標的について言及されています。
例えば、アスピリンの作用機序は、酵素シクロオキシゲナーゼの不可逆的阻害を含み、プロスタグランジンとトロンボキサンの産生を抑制することによって痛みと炎症が抑えられることです。
アスピリンは一般名を“アセチルサリチル酸” といい、アスピリンの作用・効能は『リウマチ,関節炎,発熱・頭痛,痛風の痛み,神経痛,腰痛症,筋肉痛,捻挫痛、月経痛などの痛みの鎮静』です。
アスピリンの副作用は過敏症(発疹・むくみ),胃痛,吐き気,嘔吐,胃炎,消化管出血,めまい,頭痛,興奮,倦怠感,食欲不振などです。
「関節炎,発熱・頭痛,などの痛みの鎮静効果」が「胃痛,吐き気,嘔吐などの副作用」をはるかに上回るため、社会通念的に「クスリ」として認められているのでしょう・・・
では、向精神薬ではメインエフェクトとサイドエフェクトのバランス及び作用機序はどうなっているのでしょうか・・・
代表的な抗うつ剤「選択的セロトニン再取り込み阻害薬・SSRI」で考えてみましょう。
SSRIはシナプスにおけるセロトニンの再吸収に作用することでうつ症状の改善を目指すとされていますが、その作用機序は「モノアミン仮説」という作用機序が科学的に合理的な実験などで証明されていない「仮説」に基づいています。
1956年、抗結核薬であるイプロニアジドが抗うつ作用も有することが発見されました。
発見当初、作用機序は明らかにされておらず、他の治療に使われる薬物の薬効が偶然発見されたものでした。
その後イプロニアジドからモノアミン酸化酵素阻害作用があることが発見されました。
その後類似の作用機序を持つ薬物が多く開発され、抗うつ作用を有することが臨床試験の結果明らかになりました。
よってモノアミン仮説とは、大うつ病性障害などのうつ状態は、モノアミン類、ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の低下によって起こるとした仮説です。
しかし脳内の病態が明らかにされていない以上、逆の病態が大うつ病性障害の根本原因と結論付けることは出来ず、あくまで仮説に留まっているのです。
そもそも脳そのものの神経伝達物質の動きは見ることができないという技術的限界があります。
SSRIの代表的なクスリ・パキシルで考えてみましょう・・・
パキシルの作用は「うつ状態の改善」です。
しかし、その副作用は
「嘔気(投与初期に出現、多くは2週間程度でおさまる)傾眠(日中の倦怠感) 口渇 めまい 便秘 頭痛 食欲不振 重大な副作用(発生頻度は1%未満または不詳) セロトニン症候群(錯乱・発熱・発汗・震え・痙攣・ミオクローヌス) 悪性症候群(体の強い硬直・じっとして動かない・震え・意識がはっきりしない・発汗・高熱) 錯乱、幻覚、譫妄、痙攣 肝機能障害(黄疸) 投薬中止時(特に突然の中断時)に以下の報告がある。 めまい 知覚障害 睡眠障害 激越 不安 嘔気 体の震え 発汗等(頭がシャンシャンする、耳鳴りなど) フラッシュバックのようなうつの再来(揺り戻し)そして「希死念慮」「他傷願望」 もういいですか・・・」
が著しい発生率であるとするなら、はたしてこれを「クスリ」と呼んでいいのだろうか・・・
「仮説に基づくクスリ」・・・ 危険過ぎではないのか・・・
「仮説」とは、「もしかしたらこうかもしれない・・・」という言葉を短くしたに過ぎない。
つまり
「もしかしたら、そうではないかもしれない・・・」という意味合いを常に含んでいるのです・・・
Nico