私は広告プランナーの修行時代、先輩から「マズローの5段階の欲求」を理解してAIDMA(アイドマ)理論のAction(行動)つまり商品を買ってもらえるような「企画書」を立案するように指導された。
「5段階の欲求」とは
マズローは「5段階の欲求」で、人間の基本的欲求を低次から述べると
生理的欲求 → 安全の欲求 → 所属と愛の欲求 → 承認(尊重)の欲求 → 自己実現の欲求
の階層があるとした。
また「AIDMA」とは
Attention(注意) → Interest(関心) → Desire(欲求) → Memory(記憶) → Action(行動)
の頭文字からくるサミュエル・ローランド・ホールが広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語である。
簡単に言うと、注目してもらい、関心を持ってもらえるような広告で「買いたい商品」だという記憶を残して行動(購入)に繋げろ、という「広告屋」の行動規範のようなものだ・・・
おそらく現在は電通等によりAISAS(アイサス)というネットでの購買行動のプロセスモデルが提唱されているのでマズローの提唱した「AIDMA」理論は古典的な物になっていると思うが・・・
AISASは Attention(注意) → Interest(関心) → Search(検索) → Action(行動) → Share(共有)と
ネットでの購買は、購入したあとに評価や感想がネットなどでShare(共有)されることを意識して、広告や商品企画をすることとされている。
「5段階の欲求」や「AIDMA」に限らず、いろんな分野で心理的な「階層理論」分析はされている。
「精神」の分野では
否認と隔離 → 怒 り → 取 引 → 抑うつ → 受 容
アメリカの精神科医エリザベス・キューブラー・ロス氏が提唱した、
「臨死患者が死を受容するまで」に、どのような「心理的段階」を経るかに関するモデルである。
「障害」の分野では、ナンシー・コーン氏が「階層理論」を提唱している。
コーン氏は、その段階を
ショック → 回復への期待 → 悲 哀 → 防 衛 → 適 用
の五段階とした。
「精神障害」について考えてみよう・・・
第一段階【否認と隔離】
ほとんどの人は、「あなたはうつ病です」と医者から告げられたとき『違います』とか『えっ 私が・・・』と感じるでしょう。(病気だったんだと安心される方もいるが)
一般的に否認は衝撃を緩めるための健康な対処とされています。
第二段階【怒り】
否認がもはや維持できなくなくなると、第二段階の【怒り】がこれに取って代わってきます。
対象は心の病になった原因である「出来事」や人間関係の「伴侶」「家族」「知人」「上司」など具体的な対象に怒りを覚えます。
第三段階【取引】
「精神障害」の場合【取引】というより【思考】が適切ではないかと思う。
停止していた【思考】が再びよみがえり、あれこれと考える時期。
第四段階【抑うつ】
あれこれと考えて不安になり、また【抑うつ】な症状が再発します。
この時期の抑うつ状態は「希死念慮」に繋がり、危険な時期とも言われます。
第五段階【受容】
怒りを吐き尽くし、嘆きも悲しみもし終えると、全てを受容する時期が訪れます。
体調不良が続いていてもここまでくれば寛解は近いといえます。
次回 私が体験したことに基づいて「精神医療における「階層分析」を試みてみたい。
受容するとは・・・ その2(障害受容) に続く
Nico
参考・引用 : Wikipedia