ベンゾジアゼピンの罠(1) | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

「私がベンゾジアゼピンを扱っていた当時、この薬の長所として、様々な弊害をもたらさない薬を手に入れたように見えた。けれど今思えば、腕時計にスパナを突っ込んで何も害がないと期待するほうがどうかしている」



第7章の冒頭、著者ウィタカー氏は英国で初めてベンゾジアゼピンの臨床治験をした医師ジェンナーの言葉を引用している。

この章は、わたしのようにベンゾジアゼピン離脱症状に悩んでいる者にとっては、何故こんな情報に一度も触れることはなかったのか? 知っていれば決してこんな「危険なクスリ」を服用することなどなかったのに・・・ と思わせてくれる情報が満載であった。



この章には初期の安定剤「バリウム」や「ミルタウン」とういうクスリの名まえが登場するが、現在あなたが服用しているクスリの名まえに置き換えて読んでみると理解しやすくなるでしょう・・・



1968年―81年までバリウムは欧米で最も売れた薬になった。だが、アメリカ人が、気分を鎮めるこの薬を大量に服用すると、極めて奇妙なことが起こった。精神病院や精神科救急室、精神科外来クリニックを受診する患者が急増したのだ。



ミルタウンを試した多くの人が、服用中止後に不調を訴えたのだ。1964年には薬物乱用研究所のカール・エシグ医師がベンゾジアゼピンには「ヒトに身体的依存性を誘発する可能性がある」と報告した。



1965年4月 タイム誌

「ミルタウンは患者によっては真の中毒を引き起こす可能性があり『悪習をやめた』麻薬常用者と同じような禁断症状を伴う」と論じた。



しかし一般市民は1975年までベンゾジアゼピンは比較的中毒性が低く無害なのだと信じていた・・・



同年、アメリカ司法省がベンゾジアゼピンを『規制物質法薬物』に分類するよう要請した・・・



この指定により、政府がベンゾジアゼピンには「実際に中毒性がある」と結論づけたことが大衆の目にも明らかになった。



雑誌「ヴォーグ」

「迫りくる危機! お気に入りの薬が牙をむく。ヘロインよりはるかに悪質な中毒と説いた・・・



1979年 エドワード・ケネディー上院議員は上院保健公聴会で

「ベンゾジアゼピンは治療と回復が至って難しい依存性と中毒性という悪夢をもたらした」と証言した。



アシュトン教授の話しも紹介されていた・・・



ある患者はアシュトン教授に

「離脱は生き地獄です 自分の頭がおかしくなったと思った」と語り、教授は

「ベンゾジアゼピン離脱は重度の疾患であることが極めて明らかに示される」と述べた・・・



ベンゾジアゼピンの罠(2) に続く・・・



Nico



引用 : 「心の病の流行と精神科治療薬の真実」第7章