薬物療法の中止を導くガイドライン | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

「薬害オンブズパーソンズ会議」のサイトより転載です



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薬物療法の中止を導くガイドライン



薬物療法を始める際のエビデンスに基づくガイドラインは多いが、薬物療法の中止を導くガイドラインは少ない



Australian prescriber 201112月号にDeprescribing(薬物療法の中止)と題する記事が紹介された。CREA(老化に関する教育研究センター)のDavid Le Couteur博士らの研究である。博士らは、特に高齢者において多剤併用は問題が多く、効果がないばかりか害とコストが増大すると指摘する。処方の定期的な見直しのポイントと中止して得られる結果、その方法について、限られた範囲だが研究結果を紹介しながら論じている。本論文では、特に長期にわたる薬物治療の中止を表す語としてdeprescribingを用いている。以下は要約である。



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[いつ薬物療法の中止を考慮するか?]

よい診療には処方の定期的な見直しが必要であるが、そのときが薬物療法中止を考慮するよい機会である。見直しのポイントは多剤併用、副作用、効果の欠如、転倒、病気の終末期・痩せ・認知症である。



高齢者への多剤の使用は身体機能や認知機能の低下・認知障害や、施設入所・入院、死亡のリスクと関連があり、薬剤数を減らすと良い結果になることを示す研究がある。70歳以上の高齢者での調査では、5割以上の薬剤が中止できる可能性を示唆した。また、薬剤中止に関する研究のレビューでは、「中止」と「望ましくない結果」には関連がなく、降圧薬中止後も多くの患者(2085%)は正常血圧であり、精神神経用薬の中止後は転倒事故が減り認知機能が改善した。

副作用が現れれば原因薬を中止するのが常識だが、医療専門家が副作用に気づかず、副作用認定に消極的で原疾患の症状と誤ることもある。転倒や認知機能の低下は、しばしば副作用に続発して起こるが、単に老化の過程としてもよく観察される。

効果がないことを評価するのは困難である。予防的使用が多いためだ。血圧やコレステロールのような代理指標や症状に効果がなく使い続けるのは、費用と害のリスクが増加するだけで無駄である。

精神神経用薬の中止により転倒が66%減ったとするプラセボ対照の臨床試験がある。オーストラリアでは、高齢者へのベンゾジアゼピンの使用を避けるだけで大腿骨頸部骨折が10%減った。

病気の終末期に入ったり、痩せや認知症になったら治療目標を変更するときだ。高血圧、骨粗しょう症や高脂血症などの予防的薬剤は、それが有益かどうかわかるまでに何ヶ月、何年も要する。余命の短い高齢者にこれらの薬剤の価値は限定的である。痩せや病気の終末期には薬剤の体内動態や作用のしかたが変化する。中止によって身体への負担を減らすことができる。治療目標を終末期の課題に移すことは患者にとって重要なことなのだ。



[薬物療法の中止がもたらすものは何か?]

すべての医療介入と同様に、薬物療法の中止においても害と有用性の可能性がある。薬物療法の中止には次のような結果をもたらす可能性がある。



多くの場合、臨床症状の明らかな変化はない。代わりに患者の満足度は高まり費用が減る。薬を減らしたら総合機能評価スケールが88%の患者で改善した臨床試験や、認知症を伴う患者の薬物療法中止は認知と行動の改善、転倒の減少に関連していたとする研究結果がある。

ゆっくりと医療的監視のもとに中止する限り、中断反応はまれである。医師は、退薬症状、リバウンド、隠れていた相互作用の表面化、現疾患やリスク因子の再出現など、可能性のある問題について注意しておくべきである。



[どのように薬物療法の中止をするか?]

薬物療法の中止を導く臨床試験でのエビデンスは限られているが、広く適用できる原則がある。患者に対して心の準備をさせること、薬物療法中止の必要性を再認識すること、中止または減量のための薬物療法の優先化、中止・減量、そして結果の監視である。



薬を開始するときにはまず、結果を見ながら、効果がないか副作用が起きた場合には薬を中止することを患者に説明する。患者の期待を管理することは、特に重要である。

薬物療法中止を考慮する要素題材は主に4つである。すなわち、①多剤併用、②副作用、③効果の欠如と、④終末期・認知症・痩せが進んできた患者の治療目標の変更である。慎重に、一度に1つの薬剤を中止または減量することにより、どの薬が害をもたらしていたのか、退薬症状が起こった際にはどれを再開すればよいかの指針を明らかにしてくれる。先に中止すべき薬としては抗コリン薬と鎮静剤に着目する。減量や頻度の変更(定期的から必要時に)でもよい。たいがいは急な中止が可能だが、β遮断、ベンゾジアゼピン、副腎皮質ホルモン、オピオイド麻薬、レボドパなどは、重大な退薬症状やリバウンドを起こすことがある。漸減に必要な期間は数日から数ヶ月までさまざまである。仮に、退薬症状やリバウンドが起きたら一旦再開し、後でゆっくりと中止を試みる。中止によって副作用が減った、機能が改善したなどの、プラスの変化を評価する。有益性の評価は薬物療法の中止を進めていくのに重要である。



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アシュトン・マニュアルは数少ない薬物療法の中止を導くガイドラインである。



本来、どのようなクスリであっても何年間も服用し続けるものではない、確実に薬物依存になるだろう。

また服用したクスリの成分は血流によって損傷部位以外の全身に浸透する。実際SSRIの効果は脳内ではなく血小板に作用しているという研究結果もある。



日本の精神科医「多剤併用」は平気で行い、「副作用」には無関心、「効果の欠如」に関しては「効果が現れるまでは時間がかかります」と言って効果のないクスリを処方し続ける・・・



何年も向精神薬を呑み続けているかたへ・・・

「費用と害のリスクが増加するだけで無駄である」



Nico