うつ病と血流 | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

私はうつ病の原因は、セロトニンなどの脳内ホルモンの減少は症状の一つであり、「SSRI」などの向精神薬の根拠となっている「モノアミン仮説」は危険な仮説であると何度も書いている

今のところうつ病の原因は松澤先生(東北大学名誉教授)の提唱する、ストレスなどによる「脳の傷(炎症)」が原因ではないかと思っているのだが・・・

しかし、ストレスによる脳の炎症がうつ病の原因であるとして、うつ状態を体感した人なら分かると思うが、午前中が特に体調が悪い「モーニングデプレッション」 冬に症状がぶり返す「ウィンターデプレッション」そして今も感じる「片頭痛」 そしてSSRIは一定の効果が認められており、罹患者の中に実際に効果があったという方いるという事実・・・



ひよっとして「脳の傷」も検証可能な症状の一つではないかという疑問を持ち続けていた・・・



Nicoはなんとなく仮説として「体液」がうつ病に関係しているのではないのかと思い以前からネットで情報を探していた

そしてYoutube 「うつ病と血液」という動画を観てヒントをもらい、「血液」「血流」などを検索ワードに加え、ある論文に辿り着いた・・・

タイトルは「脳微小循環障害とうつ病・躁病」(1)

脳微小循環障害とは脳内の毛細血管レベルでの血流障害のことである・・・



論文の著者「 薄田甲斐 氏 」・・・

ネット検索をかけても、医師なのか研究者なのか情報はなかった

数点 論文を読んでみると臨床経験のある精神科医ではないかと思うのだが・・・





小論文「脳微小循環障害とうつ病・躁病」の冒頭の「序文」フレーズからNicoを引き付けた・・・



本稿ではうつ病・躁病の原因は脳の虚血であることを提示する。脳は虚血に脆弱であり、精神機能は正常な血液供給によって維持される。現在、モノアミン仮説ではうつ病・躁病の原因は神経伝達物質の障害であるとしている。しかし、根本的になぜ神経伝達物質の障害が発生したのかは解明されていない

神経伝達障害は二次的な因子であり本質的な原因は脳の虚血である。なお、本稿で言及する脳虚血とは毛細血管レベルで発生する血栓・血流障害であり(微小循環障害)、脳梗塞など激烈性の脳虚血とは区別する必要がある。

うつ病・躁病の特殊性は神経科学的な要因に加え、流体力学的な要因が関与していることである。血液は管内を流れる流体であり、当然その挙動は物理法則により決定される。血流量を低下させる因子が脳の血流調整能力を上回った場合、脳虚血が発生する。

精神とは抽象的な概念であり、正常か異常であるかを明確に定義することは困難である。しかし、精神の座である脳が人体の器官である以上、物理的に影響を受けることは事実である



そして「うつ病の原因と治療法」(2) という小論文も読んでみた



全ての疑問が解けた・・・ 何故かスッキリした気分にさえなった・・・



以下、私の持ち続けていた「疑問」に対する答えを小論文より抜粋させていただく



午前中が特に体調が悪い「モーニングデプレッション」 の原因

睡眠中は副交感神経が優位に働き、心臓の働きは低下し血圧は下がります。そのため、脳への血流は低下します。これは健康な人でも同じですが、血液の粘度が高い人の場合、特に血流が低下します。脳は休むことなく活動しており、睡眠中であれ血液の供給は必要とされ、血液が不足すれば交感神経系が活性化し目が覚めてしまいます。早朝に最も抑うつ気分がひどい理由は、睡眠中に最も脳血流が低下するためです。



冬に症状がぶり返す「ウィンターデプレッション」の原因

あまりにも長期間にわたりストレスを与えられると血流が阻害されます。その理由は、交感神経系は血圧を上げ一時的に血流を増加させるものの、長期間では血栓を発生させる上に血小板の凝集能を増加させるためです。血流が低下すれば脳はさらに交感神経系を活性化させるという悪循環に陥り、最終的にうつ病を発症してしまします。これは糖尿病や運動不足などの下地があれば、さらにリスクが上昇します。なお、交感神経系は冷たい刺激によっても活性化しますが、これは冬季間にうつ病を発症しやすい事と、寒冷地で自殺率が高いことの説明になります。



「片頭痛」の原因

頭痛は脳血流が不足したため血管が異常に広がった結果、周辺の神経を圧迫して発生します。女性が片頭痛とうつ病のリスクが高い理由は、男性に比べ心機能が弱いため血圧を上げにくい特徴から説明できます。



SSRIは一定の効果が認められており、罹患者の中に実際に効果があったという方いるという事実

最初に述べたとおりセロトニンは脳だけではなく、体のいたるところに存在しています。血小板はセロトニンによって凝固しやすくなり、SSRIによってこの働きが妨害されます。SSRIは血小板にあるセロトニンの取り込み口を塞いでしまうのです。その結果、血栓の発生も抑制され血行がよくなるので脳血流が改善されます。つまり、SSRIは脳に作用しているのでは無く血小板に作用することによって抗うつ効果を発揮しています。この理論の根拠は脳に作用するはずのSSRIの効果が即時的ではなく時間がかかることと、SSRIを服用した患者さんに出血傾向などがみられ血小板の働きが低下していることなどから導かれます。



パキシルのIFを再確認してみると、確かに副作用の事項に

「白血球増多又は減少、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値増加又は減少、血小板減少症、異常出血(皮下溢血、紫斑、胃腸出血等)」

「出血傾向は本剤を含むSSRI に共通してみられる作用である。血小板の凝集に血小板内のセロトニンが関与しており、SSRI が血小板へのセロトニン取り込みを阻害することにより血小板凝集機能を低下させ、出血傾向が起こると考えられている)。したがって、出血の危険性を高める薬剤を併用している患者に対して、本剤を併用した場合には、双方が有する出血傾向が増強するおそれがある。」

と明記されていた・・・



うつ病とは 脳の毛細血管レベルでの「血流障害」が原因だったのだ・・・

ということは「血流障害」に対する治療やリハビリをすれば、うつ状態から抜け出せるということなんだ・・・



うつ病と血流(2)に続く・・・





(1) 脳微小循環障害とうつ病・躁病最新版

http://www1.axfc.net/uploader/File/so/55550



(2) うつ病の原因と治療法

http://www1.axfc.net/uploader/File/so/55547