今年のフィギュア全日本選手権も終了した28日、岡山でも高橋大輔選手のシングル引退密着ドキュメント〜EPILOGUE2019〜
のTV放送がありました。それを観ると、当初予想していた以上に今年の全日本に至る道程が険しいものだった事が察せられて、胸が一杯になりました。
左足首捻挫の為西日本大会を欠場しなければならず、全日本が今年最初のぶっつけ本番の試合になってしまった事に加えて、右膝の古傷の痛みもあり靴も替えて、気持ちに反して調子が上がらずヘコみ…高橋選手にとって過酷な日々だった様で、観ていて改めて辛い気持ちになりました。
氷上に立てる様になってからも良い練習が出来ているのか気になっていたのですが、何だか余り良い予感がしてなかったんです、個人的に。練習の時の高橋選手の表情が、気の所為か昨年に比べてやや曇っているというか、すっきりしていない印象を受けたので。尤も、公式練習で4Tを何度も跳んだり出来ていたので、そこ迄調子は悪くないのかも、と思おうとしたり。
SPのザ・フェニックスは格好良いプロですが、高橋選手とはいえ33歳が演じるにはハード過ぎたのかもしれません。ショーやエキシビション向きなのかも。これを試合で演じる高橋選手の攻めた姿勢も格好良いと思いましたが、今迄の高橋選手ならどんなに調子悪くともSPはまとめられていたのに、65という点数を見てショックを受けている自分がいました。
とに角無事に演じてくれれば良いとも思っていた筈なのに、我儘なファンです💦高橋選手もあと10年若ければというようなことを言われてましたが、確かに若い頃の彼なら、多少の不調でもねじ伏せて、力技でジャンプも成功にもっていけたかもと。以前のスタミナは凄かったですし。滑り込み不足、氷艶、アイスダンス転向…色んな要素が絡んでいるのでしょうが。
どこかで切って血まみれの高橋選手の痛々しい右手薬指を見て、あのソチ五輪選考の2013年全日本のフリーのビートルズが思い出されました(涙)。
フリーでは当日からずっと、神演技ではなくても何とか転倒はせず、まとめられるようにと、心の中で祈っていました。それは叶いませんでしたが、昨年は決まらなかったフィニッシュの右手を突き上げるポーズも決まったし(矢張両手を広げるポーズよりはこちらの方が曲やシングル演技のフィナーレに相応しい様な)、表現は悪くなく、少しホッとする事が出来ました。結果は12位でしたが、調整の遅れた中プライドを捨ててファンの為に最後のシングルを滑り切ってくれた高橋選手には感謝の気持ちしかありません。そう言えば浅田真央さんも最後の全日本は同じ順位でした。二人共日本のフィギュアを牽引してきて、満身創痍のなか一時代を築いた、記録にも記憶にも残る名選手だったと思います。本当に御苦労様、有難うございました!!
これで心残りなく、次のステージに進んで下さい。これからもずっと、応援します。