氷艶ー月光りの如くー、TV鑑賞 | みづきのブログ

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9月1日にBS日テレで放映された、氷艶hyoen2019ー月光りの如くーを、やっと観ることが出来ました。いやー本当に、色々と素晴らしかったです♡現地の横浜アリーナで観たかったなあ(泣)…4KTVも無いけど、せめて一番良い画質でと、録画して何度も観ています。

 

ストーリーは原作(高校受験の頃中学生向きの縮訳版を読んだくらいですが💦)にかなりのアレンジが為されていますね。特に第二幕以降はオリジナルと言える位。原作の光源氏には、どちらかというとランビエール(以前来日時に着ていた浴衣がとても似合っていたので、彼の和装にも期待していましたが、想像以上の格好良さでした)が今回演じた朱雀帝の様な、明るい太陽のイメージを持っていました。高橋大輔選手自身は、太陽か月かと問われれば私にとっては月で、原作も宇治十帖前後の晩年の源氏にはそんな部分も悲劇性もあると思うのですが、宮本亜門氏が高橋選手のそうした側面を鋭く感じ取って、彼のイメージに合わせて演出して下さった事に敬意を表したいです。

 

下の烏帽子姿の光源氏が素敵で、もっと本編で観たかったです。若宮のお披露目のシーン位?長い髪を束ねたスタイルも好きでしたが。

 

桐壺/藤壺役の平原綾香さん、松浦役の柚希礼音さんも、美しく威厳があって流石の歌唱力と演技力でしたが、歌と演技は素人の筈の高橋選手が、予想を遥かに超えた熱演でそれらプロに迫っていて感激でした!歌はきっと上手いと予想していましたが、演技も鬼気迫る「…貴様!!」等、初めてとは思えない凄さ。憑依型の選手なので、演じる人物に成り切ってしまわれるのか。

 

頭中将の福士誠治さんや、帝の役の方も良かったです。荒川静香さんも破沙羅以降、悪役が板に付いて上手いですね。十二単風の打掛が美しかった。リプニツカヤの紫の上も妖精のような美少女で、現役の頃と変わらず柔らかな肢体でのキャンドルスピン等、綺麗でした。

 

2017年の氷艶ー破沙羅ーの高橋選手も、阿国の踊りを始め素晴らしかったですが、今回はスケートに加えて歌や台詞もある上、ワイヤーで氷上を引っ張られたり天を舞ったり…稽古も大変だったと思います。ランビエールとリプニツカヤには台詞は無い縛りですが、ちゃんと気持ちが観客に伝わってくる脚本も良いし(後半尺不足か展開がやや急なのが惜しいですが)、勿論音楽も。迫真のプロジェクションマッピングも美しかったです。源氏と朱雀の歌比べのシーンの、氷上のトレースが墨で書かれた行書のように見える所も、印象に残っています。

 

圧巻は終盤の、誰ひとり幸せに出来なかったと嘆き舞う光源氏。痛いほどの孤独感がひしひしと伝わってきました。源氏は出家して終わりかと予想していたら、想像の上を行く悲劇エンドで驚きましたが…

 

でも本当にスタッフとキャストの熱を感じられた、素晴らしい作品でした。三日間限りなのが勿体無い💧西の方でも再演してくれないものでしょうか。高橋選手の演技と歌唱力が証明されたので、次回作にも大いに期待しています。