前回からの四大陸観戦記続きです。高橋大輔選手メインで。
いずれ観た選手全体についての感想のまとめもしたいですが。
初日が終わり、宿に帰ったものの…
何故か中々寝付かれませんでした。
結局朝方少しウトウト出来た位で。
私としてはヘルニア手術以来久々の旅行で、
神経が興奮しているのか、
それとも初日の高橋選手の演技に、何となく
今回本調子でない重さを感じ取らされたからか…。
二日目の観戦。
最初の女子SPの、日本選手3人の活躍で大いに盛り上がり、
いよいよ男子フリー。第1グループから見応えがありました…が、
ここに来て昨日の寝不足による睡魔が襲ってきて、
それと戦うのにも必死でした。折角初めての国際試合、
生観戦を楽しみにして来たのに、私のバカ…!
第3グループになってやっと眠気が治まってきて
ホッとすると同時に、高橋選手の滑走順が迫ってきて、
心拍数が徐々に上がってくる感じ。
公式練習では余り調子が良く見えなかったと
聞いていたので、余計不安に…。
でも、6分間練習では、相変わらず何処か
疲れた表情に見えたものの、ジャンプも決まって、
誰よりも大きい声援を受けていました。流石準地元。
だから本番では経験豊富なベテランならではの
集中力と調整力を発揮して、何とか演じきって
くれるかも、得意な道化師だし、などと
思っておりました、が…
直前のレイノルズ選手の3回のクワド成功の
神演技、素晴らしかったし勿論私も大きな拍手を
送りました。でもリンクサイドでそれを見ている
高橋選手が影響されて、冷静になれなかったり
力んだりしないか、心配でした。
最初の2つのクワド。
あ…クリーンじゃない、両足…?回転不足は今一
判りませんでした。跳び方は悪くない感じでしたが。
その後2つの3A の失敗。
3Lzもですが、2つ目をコンビネーションに出来なかったのが
痛い…結局コンボは1つだけ…え!?
でもステップシークエンスはよく動けていて、
悪くないと思いました。スピンも良かった。
3Sの後から、少し音楽より演技が
早くなったのが、気にはなりましたが、レベルを見ても
分かる通り、演技自体は悪くはありませんでした。
ある意味今季一番、道化師の悲哀が、高橋選手の心情と
(また観ている方とも)シンクロして、感じ取られたかも。
尤も、この四大陸道化師は、不貞の妻と浮気相手を
怒りで殺めるというより、裏切られた悲しみの余り、
自ら死を選んでしまいそうな感じです。
やはりジャンプをここ迄失敗してしまうと
痛いですよね。
クワドより、昨季までは鉄板だった、
得点源で前十字靭帯の怪我後も
高橋選手を支えてきた、
あの美しくて大きな3Aが、こんなにも不調なのが
心配です。
高橋選手のジャンプでは、フリップと並んで
一番好きなジャンプなので。
アクセルの前向きに踏み切る所に、いつも
何かに立ち向かっていく高橋選手の心意気を
重ねて、感動していました。
でも会場の応援と熱気の中に居て、若干ハイになっていたのか、
演技自体は良かったので得点が出るまで、
そこまで悪い(TESが)とは思わず…。
演技が終わると、隣の夫と顔を見合わせ、
私「う~ん…ジャンプが…3位無理かな、4位くらい?」
夫「5、6位じゃないの」
ヲタ目線でない分、夫の方が冷静でした。
得点が出た後、思わず私もエーイングして
しまいました…抗議とかではなく、こんな得点と
順位の高橋選手は信じられない…という思いから。
優勝候補だったのに4位だった
イエテボリワールドの時と
同じような気分でしょうか。
その後1、2分頭が真っ白になり、ナン・ソン選手の演技を
目で追っていても、頭に入ってこない状態(ごめんなさい)。
曲がチャイコ4だったので、ああそうだ織田選手も2007年に
プロ途中変更して調子崩したような…ウィルソンだっけ、
好きなプロだったのにな…などと、とりとめもない事を
思い出したり。
やはり、新プロ月光に練習時間を取られ、
道化師の滑り込み時間は必然的に削られたかと思います。
それでも両方共出来る、間に合わせる!と思った事を
「慢心」と言ったのかもしれませんが
(そんな言葉からは最も遠い人と思いますが)、
いくら高橋選手でも、約2週間で
新プロを完成度高く魅せるようにするのは難しいですよね…。
しかも靴を替えて1週間との事。
中国杯の苦い思い出がよみがえります。
靴をひと月毎に履き潰す高橋選手、何とか継続的に
良い靴を手に入れられる方法はないのでしょうか。
ブレードも今季から違うものに替えているんですよね…
4Tを跳びやすくするため?トウジャンプには良くても、
エッジジャンプであるアクセルは跳びにくくなる
ブレードなのかもとか、部外者の一ファンですが
あれこれ考えてしまいます。
今季、若手選手達がクワドを何回も決めて、
高得点を叩き出しているのを見ると、ファンならずとも
当の高橋選手だって冷静でいられない時もあるのかも、
と思います。でも、この高難度ジャンプ重視採点傾向に
惑わされず、心と身体のメンテをしつつ、
自己のスケートを極める事だけに集中して欲しいです。
PCSは高い評価なのだから、
焦らずに自分のペースを守って、ジャンプを戻せば。
山あり谷ありだけど、右上がりに一番高い頂へ
向かっていると、信じています。
今迄も心配性なファンの想像を
良い方に裏切り続けてくれましたし。
2004年のエリボンフリーなど、この人はもうスケート
やめてしまうかも…と本気で心配しました。それに
比べたら。
試合に勝つ高橋選手を見るのは嬉しいですが、
彼が、アスリートらしからぬ優しさや繊細さを
強さに変えて、試合に臨んでいくのを
見られる事自体が、
私にとって一番喜ばしい事です。
彼の美意識、人柄、演技が
年毎、試合毎に磨かれていくのを
現役最後の時まで、どうか見守らせてもらえますように。