人間は、自分の周りの環境が変わることが嫌いだ。

自分が1から築き上げた今の環境を失い、

また1から環境を築いていかなければならないことが面倒だからだろうか。

はたまた、環境を築き上げていく自信がないからだろうか。

 

しかし、一方で私たちは環境を変えたいと思うときがしばしばある。

今の環境が苦しいから、飽きてきたから、新しい人に出会いたいから。

 

そんなときに考えることは、

仕事を変えてみようか、新しいことを始めてみようかといったところだろうか。

だが、そんな前向きな考え方をできるのはせいぜい10分までで、次の瞬間には

「自分にそんなことができるだろうか、新しいことを成功させる自信はない」

と言った否定的な考え方に変わり、しまいには「今の環境がベストだ」という答えに至ることさえある。

 

少し話が逸れるが、「アバウトタイム」という映画を見たことはあるだろうか。

主人公はタイムループをすることができ、1日1日を何度もやり直しながら生きていく。

この映画では、ほとんどのタイムリープが何かを成し遂げるために使われる。

しかし、映画の中で唯一何かを成し遂げるためではないタイムリープをする。

そのタイムリープは、なんの変哲もない”その日”をもう一度繰り返すのだ。

1度目の”その日”では、コーヒーをこぼされたり、怒られたりとさんざんな1日を過ごす。

2度目の”その日”では、同じ1日が素晴らしい1日だったと過ごすことができる。

(私はこのシーンが一番好きだ)

 

果たして2度目の”その日”では、何をしたのだろうか。

気になるなら、ここでアバウトタイムを見てきてから帰ってきて欲しい。

 

 

映画を見終わった人にはわかるだろう。

私たちが環境を変えるために必要なことは、

いつもとは違う電車の車両に乗ってみたり、違う時間に起きてみたり、

違う音楽を聞いてみたり、真夜中にコーヒーを飲んでみたり、

朝からお酒を飲むのだっていいだろう。

朝起きた瞬間に寝巻きを脱いで服に着替えたり、自転車ならばいつもと違う道で帰ってみたり、

スイーツを作ってみたり、思い立って植物を育ててみたりするのもいいかもしれない。

帰り道のいつもは寄らない本屋に寄ってみたり、使うわけではない香水を買うのもいい。

 

私たちが「環境を変える」と言われて想像することは、

数分後、数時間後、数日後のことではない。

いつ現れるかもわからないような遠い未来を勝手に想像しがちである。

しかし、環境を変えるのに必要なことは、ほんの些細なことではないか。

そんなことで環境が変わるわけがないというならば、まずは試してからだ。

 

明日という1日を変えるすべはもしかしたらいくらでもあるかもしれない。

これを読んでくれた人の今日、明日が変わってくれると嬉しい。

あくまで今日、明日だ。