1年近くアイスバーグなどを育ててみて、バラが思っていたより丈夫な植物だということがわかった。
寒さ、日照不足、病害虫などに対してバラは想定外にタフであり、1ヶ月も家を空ける那須でも意外と育つのでは、なんて最近は淡い期待がフツフツと湧き上がってきつつある。
那須の梅雨から夏場にかけてのとんでもない湿気を考えると、アイスバーグにはブラックスポット(黒星病)こそ最大の脅威である。
が、真冬でも開花するほどの耐寒性と、日照2~3時間でも花を付ける耐陰性を確認しているので、あとは山の中でどれだけ葉っぱや根っこを虫に食われずに済むか、の一点だけが心配だ。
少しでも日当たりの良い場所を選んでしっかり用土をつくり、毎回那須入りの都度消毒して帰り、施肥を控えて株を丈夫に育てる。
もちろん定植するので水やりは不要なはずだ。
あとは、バラの強い生命力と自然の生態系に委ねることになるだろう。
幸いシジュウカラやヤマガラなどの野鳥の他、いろいろな益虫もたくさんいると思うので、バラを食害する害虫はかなり除去してくれるはずだし、日当たりが悪いのは樹木の生い茂る6月手前から10月いっぱいくらいまでなので、光合成に必要な最低限の日照も期待できそうだ。
少なくとも開花準備期の3月から5月中旬は、太陽の恵みを充分享受できるだろう。
夏の日照不足で秋の開花が絶望的であれば、一季咲きの品種を選べばよい。
まぁ、葉っぱを半分以上食われても枯死さえしなければ良いし、致命的な最悪のテッポウムシ(ゴマダラカミキリの幼虫)は、株元をネットでグルグル巻きにすることである程度の防除にはなりそうだ。
そして、アイスバーグ以上に強健なつるバラの新雪については、淡い期待が「けっこうイケるのでは!」なんて現実味を帯びてくる。
何人もの人から那須(の別荘)ではバラは育たないと聞き、定住でもないのに寒い那須で所詮バラなんて絶対無理と諦めていたわけだが、最近は品種さえ選べば何とかなるのではと考えてしまう自分がいる。
1ヶ月ぶりに山荘を訪れて、ウッドデッキの手摺で白い大輪をいくつも咲かせた新雪や房咲きに咲き誇るアイスバーグが目に飛び込んできたとしたら、それはもう至福の歓びが怒涛のように脳内を駆け巡るに違いない。
そしてひと月ものあいだ何もしてやれなかったにもかかわらず、健気に咲いているバラたちが、愛おしくてたまらなくなるだろうことは想像に難くない。
そんな光景を想い描くと、一刻もじっとしていられなくなるのだ。
那須入りが、これまでの何倍も楽しみになるのは間違いない。
毎日のようにスコールがやってくる湿度90%という森の中で、黒星に対してどこまで抗しきれるかわからないが、アイスバーグはダメ元でも、すこぶる強健な新雪については少なからず勝算があると言っておこう。
まずは鉢植えのまま埼玉の庭でしっかり育て、ツルを2,3メートル伸ばした時点で、そのまま地植えすべきか那須に移すかを決めたいと思う。
本宅に定植した場合は、分身を挿し木にして育てて翌年那須に移せばよいし、狭い本宅では持て余すだろうということで最初から那須に植えるのであれば、本宅には花の色も形も良く似たフラウ・カール・ドルシュキが新雪の代わりを務めることになるだろう。
前者の場合なら、ドルシュキは鉢植えのミニオベリスク仕立てでベランダを飾ることになるはずだ。
それにしても、大の剣弁高芯咲き好きにもかかわらず、古いオールドローズとはいえこれまでフラウ・カール・ドルシュキの存在を忘れていたなんて。
ドルシュキは系統上はHPだが、性質は日本の気候環境ではCLと言ってよく、むしろつるバラとして楽しむのが一般的な白バラだ。
新雪ほどではないにしろ、強健性と耐陰性に優れたこのピュア・ホワイトには、香りのなさを除けば新雪以上の魅力がある。
それはもう、問答無用ともいえるほど。
最近はグラハムトーマスに続いてシャリファアスマにも惹かれるERだが、やはり大輪剣弁高芯咲きの魅力にはいかんとも抗し難いものがあり、拙庭で10品目10株目にお迎えするバラはどうやらドイツの貴婦人、フラウ・カール・ドルシュキで決まりのようだ。