日露戦争時に総理大臣を務めた桂太郎の別荘は1910年の竣工。敷地は3000坪で旧軽井沢ではなく、線路の反対側の離山にある。現在野澤組の所有となり、立ち入りができないが、関係者のご好意で敷地内に入れていただき、内部も見学できた。軽井沢の別荘の歴史は、野澤源次郎と野澤組の存在を抜きには語れない。

 

桂太郎は1901年に内閣総理大臣に就任する。最初の軽井沢訪問は別荘建築1年前の1909年のことであった。

「桂首相は7日正午軽井沢に到着し、離山なる雨宮敬次郎氏の別荘に入りたり。首相は東京よりすこぶる的の阿嬌(美しい女性の意味)を伴い来たれり。今日は阿嬌及び二、三人と共に夏知らぬ山間の清風に吹かれつつ歩みに任せて旧軽井沢を見物せり」

(『軽井沢物語』宮原安春より)

 
 
 
現在旧軽井沢のロータリーにある三面馬頭観音像は源次郎翁が手厚く保護していたもので、 ロータリーに移設する前は野澤組の保養所(上記桂太郎別荘)にあった。
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