目で見たり、聞いたりしたことの記憶に比べて、
においの記憶はなかなか残りにくい。
あの時、あんなにおいがしたなぁ~ってあまり覚えてない。
先日、
実家に帰る途中、
風景がだいぶ田舎になってきたので、
新鮮な空気に触れたいと思い車の窓を開けた。
東京に比べて軽い空気。
サラサラして気持ちが良い。
しばらく走っていたら、
どこかの家から田んぼで落ち葉を燃やしているにおいがした。
その瞬間、
一気によみがえる古い記憶。
小さい頃、兄と一緒に落ち葉を集めて燃やし、
アルミホイルで巻いたさつまいもを放り込んだりした記憶。
普段、
においの記憶はなかなか思い出せないけど、
実際にそのにおいに触れると、
目で見たり聞いたりした記憶以上に鮮明に当時の風景が浮かぶ気がする。
美しい風景や美しい文章や美しい話であっても、
においのない時間と空間に豊かな記憶は残らないのかも知れないなぁ。
水族館の美しい魚だけでなくて、磯臭い海と魚のにおいとか、
暑い日に突然雨が降った後の土のにおいとか、
花屋のきれいな花ではなくて、花畑の甘いにおいとか、
爆竹を爆発させた後の火薬のにおいとか、
そういう良いにおいも嫌なにおいも、
娘にはたくさん体験させてやりたいなぁ、となんとなく思った。