6月4日火曜日

bridgetheatre 19:30

 

ロンドンに行くと決めて最初に検索をかけたのは、このbridgetheatre。

ナショナル・シアターライブで見て気になっていた。 Nicholas Hytnerが「真夏の世の夢」を上演するとわかって嬉しかった。

 

 

賑やかで楽しい舞台だった。事前に出演者に検索をかけたらダンサーが多いとわかったので踊りの多い舞台かなと思っていた通り、妖精たちが天井から下がったリボンテープを使って宙で踊りまくる。劇場の形態が360度型なので、どこから見ても存分に楽しめる。

 

ロバにされてしまうBOTTOM役のHammed Animashaunに

OBERON役のOliver Chrisが一目ぼれする。そして休憩に入り、再開が近づくと、妖精役が次々に天井から下がったリボンテープに絡み始める。そのダンスが本格的になると同時にポップスがかかり、スポットの当たった舞台が上がってくる。するとそこには泡風呂につかりシャンパンを掲げている恋に落ちた二人が現れると言う仕掛け。場内大爆笑。

 

ポップスに乗って廻る舞台上のベットでセクシーながら滑稽に絡み合う二人。その上では妖精たちが見事なパフォーマンスをみせる。 Christina Cunninghamによる衣装も化粧もラメを多用してきれいに輝く。本当に楽しい場面だった。

 

Hammed Animashaunは、最後の結婚式の余興芝居の場でも大活躍。一人の騎士が死ぬところをパントマイムで何パターンも演じて傑作。弓を引いて、その矢が胸に突き刺さり、心臓が飛び出して、それをキャッチして戻して胸を押さえて倒れ込むといった塩梅。

終演が20分程押したのも、この自由なパフォーマンスのせいか。


パックはDavid Moorst。小猿という設定もあって自在に飛び回る姿にはため息が出る程。

 

若者二人が逃げ込む森は、写真の様にベッドで構成されている。夢を象徴していておもしろいアイデア。このベッドマットからパックが飛び出したり、中に消えたりといった、単純だがびっくりする仕掛けもある。

 

 

全体の構成は原作通りではない。

開演前にケースに入った中世の喪服姿の女性が運ばれてくる(蜷川の海辺のカフカの舞台装置みたい)。女は直立したまま無表情にまわりを眺めている。そこに太鼓の伴奏で讃美歌を歌う一団が入って来て、東西南北の位置でお経を唱える様に歌うという、葬儀場面からの始まり。

最後、皆が仲直りする直前にこの葬式の場面に戻って来る。銃を携えた人も。そこからの和解の場に入っていく。

 

オーベロンとティターニアの不仲を国家間の政略結婚による不仲になぞらえているのか?わかりにくかった。

 

全て丸く収まった時には立見席の観客が手を繋いでグルグル周り、最後には大きな月のボールが2個出て来て、皆がそれを突いてまわる。

盛大なお祭りになって閉幕。

 

テムズ川沿岸で新たに開発された豊洲のようなビジネス街にある劇場なので、帰り路が怖いかなと思ったが、皆一斉に駅に向かうので、さしたることはなかった。

 

開演前、荷物を預けるのに列をなしていたので、不思議に思っていたが、何のことは無い、皆立見席の人で、上着、手荷物を全て預けないと入れないきまりになっているようでした。