1月12日金曜日 11:00

浅草公会堂

 

「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 鳥居前(とりいまえ)」

舞台上にみんなが出揃うと、学校みたいだ!と思った。つまりは、全員若いということ。

校庭の片隅にたむろっているみたいに見えるね。

 

先月の国立劇場でコミカルな関取を演じた歌昇(かしょう)が弁慶。泣くところのしぐさがおおらかで滑稽でいい。

 

梅丸(うめまる)の静御前。可愛い素顔を生かしきれていない化粧。玉三郎に習ってきれいな目を印象付ける技を習得してほしい。声が弱いので、もう少し喉を鍛えたほうがいいかな。

 

隼人(はやと)の佐藤忠信実は源九郎狐はすっきりとした姿が印象的。出てきたときに見栄えがする。

 

巳之助の逸見藤太(いつみのとうた)。からだの動きが舞踊になっていてきれい。ひょうきんな味わいも抜群。

 

 

「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)」

松也の綱豊卿。巳之助の富森助右衛門(とみのもりすけえもん)。

 

せりふだらけのこの芝居、もつかなあと心配したら、若さの持つ勢いと二人の役の勢いがうまくあって、おもしろい一幕になった。

 

松也の「そち達を信じたいのじゃ~」でワ~ッと拍手が来た。これだけでも皆が集中して見ていたことがわかる。

巳之助の「お敷居を越えまする!」でもどよめいた。

 

この二人の会話の最中、米吉(よねきち)のお喜世(きよ)がうつむいて控えながら、助右衛門の言葉に激して懐刀(ふところがたな)に手を掛けて飛び出す瞬発力がよかった。

バッとからだごと飛び掛からんばかりの勢いで、長い会話の空気を一気に変えた。

 

松也と巳之助、役を替えた舞台も見たい。

 

帰りは浅草寺に参拝して藪蕎麦で一年ぶりの鴨南蛮。その後デザートは甘味処西山で福々まんじゅうと煎茶セット。