11月19日日曜日 13:00
世田谷パブリックシアター
たいへんな人気公演。抽選にことごとく外れがっくり。『ワンピース』の後、呑みに行った先でそれを愚痴っていたら、手持ちのチケットを廻してくれた芝居仲間がいた。本当にありがとう。
菅田将暉、生田斗真という今まさに旬の役者二人を揃えて、この芝居である。
もう、二人の姿を見ているだけで満足できるのじゃないかなと思っていたが、ちょっと無理だった。
起伏のあるストーリーではないので、せりふと動きだけで若い二人は緩急をつけられない。だから真ん中がグッと疲れる。
そんな中、半海一晃が旅芝居の座長をひょうひょうと演じて舞台を締める。
芝居の終わり近く「信じられるのは、見たいことだけなんだ」というせりふをしっかりと聞かせる。
阿修羅像に似ているとも言われる菅田将暉の顔は、小さいのに表情がはっきりとわかって舞台にも向く。今は旬だから寝転がった時の指先までキラキラしていた。
贅沢なことを言えば、二人で役を入れ替えたバージョンも見て見たかった。ボケる役もうまそうだ。
生田斗真はハンサム過ぎて、ボケてもかっこいい。この舞台ではちょっと損かな。彫りの深い顔は舞台映えする。
ハムレット役で林遣都が出ているのを知らず、ちょっとラッキーな気分に。しどころがあるという程の役ではなかったけれど、キレのある軽やかな動きで飛び回っていてよかった。
この芝居はキャスティングが難しいのだろうな。過去に古田新太と生瀬勝久で上演したことがあると言うのだが、この二人ではハムレットの学友と言うイメージがバッサリと切り落とされている感じがする。
今回の二人は〈学友〉にはピッタリだが、自分の与り知らぬところで存在している事がどんどん消されていく滑稽さは出なかったな。
10分の休憩が2回だけという構成は、若い女性がほとんどと予想できる芝居ではきつかったのでは。実際はトイレ終了を待っていたようだが、落ち着かないよね。