1月27日金曜日 18:30
国立能楽堂 狂言の会
「佐渡狐(さどぎつね)」
山本東次郎(やまもと とうじろう)、けがで休演。
山本則重(のりしげ)の佐渡のお百姓、山本則秀(のりひで)の越後のお百姓、則俊(のりとし)の奏者(そうじゃ/取り次ぎ役)、親子三人の舞台となった。
袖の下を貰う奏者の、ちょっとした欲とみつからないように怯える様がおかしい。
最後にきつねの描写がこんがらがってわからなくなるところも、おおらかで楽しかった。
「鶏猫(けいみょう)」
初めて見る。
殿様役、河野某(こうのなにがし)の茂山千作(しげやませんさく)のせりふ、発する勢いはするどいがあくまで明るい声音。*葛桶(かづらおけ)に座っている時の顔が先代にそっくり。
殿の猫を殺した藤三郎は茂山七五三(しげやましめ)。着流しの衣装というのは珍しい。腰帯はあった。
虎真(とらまさ/千作の孫)、2004年生まれなので12歳かな。はつらつと勤めていてよかった。
この狂言、太郎冠者、次郎冠者に加え三郎冠者まで出る。
この次郎、三郎冠者が腕っぷしの強い藤三郎を捕まえるとき、投げられてくるり、くるりとバク宙する。二人綺麗に揃って回転するところもあり、見事。
*葛桶(かづらおけ)
能・狂言で使う小道具。
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc9/kouzou/ougi_product/product/
「政頼(せいらい)」
野村萬斎(のむらまんさい)の政頼。
鷹匠の政頼は鷹狩の殺生の罪で閻魔大王の前に出てくるが、鷹狩の様を見せて楽しませ、褒美に娑婆へ戻してもらうという筋。
鷹狩を見せるとき、腕に乗せた鷹が飛び立つ直前、二段階に分けて羽を広げる仕掛けになっていた。
随分工夫した小道具だ。
飛んだ瞬間に袖で鷹を隠し、目で虚空を追って鷹が飛び去った様を描いたが、実に動きがなめらかで鋭く、鷹が飛ぶように見え客席からも嘆声が漏れた。
死出の山から飛び立った雄鳥を捕らえ、鬼たちが食べる。
鬼から鬼へと渡された鳥の、食べるところが少なくなった様を擬音であらわしていたのが楽しい。
最後に閻魔大王から冠をもらい受け、揚幕に向き直る時の萬斎の動きのキレの良さ、形の良さ、爽快。
展示室は「能絵の世界」。
宇和島伊達文化保存会、法政大学能楽研究所、国立能楽堂、それぞれが所蔵している能絵鑑を一堂に会して展示。
違いをパネルで解説している。
一畳台の上に〈段通と思われる表現がみられ〉とあるように、きれいな模様が描かれている。今は赤の毛氈だけだから、こんなところに贅沢な施しがあるのを見てみたいな。
昭憲皇太后が閲覧したことを示す書状などというものもあった。
今のところに所蔵されるまでの伝来も説明されていた。
藩から個人の手に渡って、公の施設に入る様は時代を物語っている。
3月17日まで。
国立能楽堂 狂言の会
「佐渡狐(さどぎつね)」
山本東次郎(やまもと とうじろう)、けがで休演。
山本則重(のりしげ)の佐渡のお百姓、山本則秀(のりひで)の越後のお百姓、則俊(のりとし)の奏者(そうじゃ/取り次ぎ役)、親子三人の舞台となった。
袖の下を貰う奏者の、ちょっとした欲とみつからないように怯える様がおかしい。
最後にきつねの描写がこんがらがってわからなくなるところも、おおらかで楽しかった。
「鶏猫(けいみょう)」
初めて見る。
殿様役、河野某(こうのなにがし)の茂山千作(しげやませんさく)のせりふ、発する勢いはするどいがあくまで明るい声音。*葛桶(かづらおけ)に座っている時の顔が先代にそっくり。
殿の猫を殺した藤三郎は茂山七五三(しげやましめ)。着流しの衣装というのは珍しい。腰帯はあった。
虎真(とらまさ/千作の孫)、2004年生まれなので12歳かな。はつらつと勤めていてよかった。
この狂言、太郎冠者、次郎冠者に加え三郎冠者まで出る。
この次郎、三郎冠者が腕っぷしの強い藤三郎を捕まえるとき、投げられてくるり、くるりとバク宙する。二人綺麗に揃って回転するところもあり、見事。
*葛桶(かづらおけ)
能・狂言で使う小道具。
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc9/kouzou/ougi_product/product/
「政頼(せいらい)」
野村萬斎(のむらまんさい)の政頼。
鷹匠の政頼は鷹狩の殺生の罪で閻魔大王の前に出てくるが、鷹狩の様を見せて楽しませ、褒美に娑婆へ戻してもらうという筋。
鷹狩を見せるとき、腕に乗せた鷹が飛び立つ直前、二段階に分けて羽を広げる仕掛けになっていた。
随分工夫した小道具だ。
飛んだ瞬間に袖で鷹を隠し、目で虚空を追って鷹が飛び去った様を描いたが、実に動きがなめらかで鋭く、鷹が飛ぶように見え客席からも嘆声が漏れた。
死出の山から飛び立った雄鳥を捕らえ、鬼たちが食べる。
鬼から鬼へと渡された鳥の、食べるところが少なくなった様を擬音であらわしていたのが楽しい。
最後に閻魔大王から冠をもらい受け、揚幕に向き直る時の萬斎の動きのキレの良さ、形の良さ、爽快。
展示室は「能絵の世界」。
宇和島伊達文化保存会、法政大学能楽研究所、国立能楽堂、それぞれが所蔵している能絵鑑を一堂に会して展示。
違いをパネルで解説している。
一畳台の上に〈段通と思われる表現がみられ〉とあるように、きれいな模様が描かれている。今は赤の毛氈だけだから、こんなところに贅沢な施しがあるのを見てみたいな。
昭憲皇太后が閲覧したことを示す書状などというものもあった。
今のところに所蔵されるまでの伝来も説明されていた。
藩から個人の手に渡って、公の施設に入る様は時代を物語っている。
3月17日まで。