3月23日水曜日 千穐楽
下北沢 本多劇場 14:00

教員を定年退職し体力を持て余している男に、風間杜夫。
その後妻で夫との夜の営みを拒んでいる女に、小泉今日子。
男の友人で、家出をして妻の様子を観察している男に、岩松了。
先妻の子で離婚を考え実家に帰省中の娘に、小野ゆりこ。
ほか、娘の夫から偵察を頼まれている男が二名。

こんな六名がからむようで、からまない日常が舞台。

小泉今日子の色っぽいこと。
幕開き、浴衣の寝間着を布団の中で脱いで裸の肩を見せるのは直接的なお色気だが、それよりも、スライドする舞台装置に横座りで出てくる瞬間が刺激的。真っ赤なスカートが目に鮮やかで、座り姿だけで偵察に来ている男と何かおこりそうな色気が出ている。

もう一か所、椅子に座っている夫に手を引かれ、無表情でゆったりと膝の上に座る。その腕が色っぽい。

最後に、夫に求められて布団から勢いよく飛び出て、距離を取って夫をみつめる姿。

こんな巧まずしてあふれるセクシーな空気がおもしろかった。

この夫婦を隣の部屋からじっと見つめる岩松了の背中が、滑稽で不気味で、彼の作品の味そのものになっていて楽しかった。

失踪しているものが舞台のあちこちに散らばっていたよ。

千穐楽と言う事で閉幕後、岩松了から出演者の紹介があった。
これから地方公演だそうで「2時間15分で終わる芝居があるよと宣伝してください」とのことでした。

ロビーで朝ドラ〈亀助〉の姿をみかける。