8月8日土曜日 昼の部 11:30-14:30
横浜KAAT
口上(こうじょう) 尾上松也(おのえまつや)。
裃姿できっちりとした挨拶と簡略な演目紹介。
「操り三番叟 あやつりさんばそう」
澤村國矢(さわむらくにや) 三番叟(さんばそう)
尾上音一朗(おのえおといちろう) 後見(こうけん)
市川蔦之助(いちかわつたのすけ) 千歳(せんざい)
尾上松也 翁(おきな)
翁・千歳ともにきれいな踊り。蔦之助の足拍子の音、見事。
松也は袖を頭上にあげたとき、きれいに形が決まった。
國矢は、柔らかく軽やかな操り人形で気持ちのいい速さで踊る。
鈴を持ってからはあっという間に終わってしまった感がある。もっと見たかった。
「二人椀久 ににんわんきゅう」
尾上松也 椀屋久兵衛(わんやきゅうべえ)
片岡孝太郎(かたおかたかたろう) 松山太夫(まつやまだゆう)
孝太郎が*仁左衛門と組んで踊っていた椀久は花柳流なのだそうだ。今回は初演から伝わる*富十郎と雀右衛門の元の形。
振りの違いはわからない。
孝太郎は色々な人と組んでも絵になる。小柄で表情が控えめで愛らしいというのがいいのかな。玉三郎だとこうは、いかない。
今回も、博多人形みたいにちょっと冷たい肌合いの松也といいコンビだった。
踊りは*<按摩けんぴき>に入るまで少々長く感じたけれど、二人の手先が揃う瞬間が何度もあり、いい間合いの踊りだった。
最後、息絶えるところは、晩年の富十郎よりたっぷり。松也の若さではその方が終わるところを印象付けられていい。
大道具の松、月もとても形がよかった。
孝太郎が出の時来ていた打掛の松の模様も品があってよかったな。
<プレゼント抽選会>
どの商品が欲しいというわけでもないけれど、籤引き抽選となればチョット期待しちゃう。でも全部はずれました。
あ、うちわは買っていたけれどサイン入り欲しかったかな。
「二人袴 ふたりばかま」
狂言・二人袴を素材にした一幕。とても楽しい芝居だった。
客席から何度も大きな笑い声が起こっていたから本公演で再演できればいいのにな。
尾上松也 高砂尉兵衛(たかさごじょうのひょうえ) 父親
尾上音一朗 高砂右馬之助(たかさごうまのすけ) 息子
尾上松五郎(おのえまつごろう) 住吉左衛門(すみよしさえもん) 舅
尾上隆松(おのえたかまつ) 家来・鈍太郎(どんたろう)
尾上徳松(おのえとくまつ) 左衛門妻 老松(おいまつ)
市川蔦之助 左衛門娘 雛鶴(ひなづる)
筋はほとんど狂言と同じ。
松也と音一朗が相舞(あいまい)するところの振付が楽しくできていた。
徳松と蔦之助の舞うところが少なすぎてちょっと残念。蔦之助がきれいだった。
カーテンコール2回。1回目は花道から松也が。
2回目は幕が開いて音一朗、松五郎、隆松、徳松、蔦之助、國矢が並んでいた。
松也を呼ぶそぶりをしたけれで出てこなくて、これにて終わり。
入場する時、全員にスポンサーからのお土産が配られた。
AGFの粉コーヒー二袋とGIVANCHYのウルトラマリンオードトワレのサンプルなり。
お弁当は売店で売っていたうなぎちらし。¥1.000.
これが結構おいしかった。
パンフ¥1.000。うちわ¥800。(写真)
1日だけの公演になったのは松也のスケジュールなのか劇場がおさえられなかったのか。
その点は残念だったけれど、来年も楽しみな会だ。
*仁左衛門
孝太郎の父親。つい先日人間国宝になった。
*富十郎と雀右衛門の元の形
ともに故人の歌舞伎役者。長年このコンビで二人椀久を踊り、ぞの舞台は絶品だった。
30年程前、私がこのコンビで初めて二人椀久を見た時は、あまりにスムーズに動くので舞台が滑るようにできているのかと勘違いしたくらいだった。
*<按摩けんぴき>
二人椀久の歌詞の一部。しっとりした曲調が、この歌詞から調子のよい早いテンポになる。踊りの動きも俊敏になる。