5月25日月曜日 11:00
「摂州合邦辻(せっしゅう がっぽがつじ)」<合邦庵室(がっぽう あんじつ)の場>
尾上菊之助の玉手御前(たまてごぜん)。
義理の息子、俊徳丸(しゅんとくまる)に「あなたに恋をしているのだと」迫るところ、リアルに迫力があった。
浅香姫(あさかひめ)を追い回すところも目が座っていて怖い。
合邦(がっぽう)に中村歌六(なかむら・かろく)。こうセリフがうまい役者がすると、ああこの人は娘を殺すな、という絶望感が声音で感じ取れる。怒鳴ってるのとは違う。合邦は追いつめられているのだというのがひしひしと伝わってくる。
追い回される浅香姫の尾上右近(おのえ・うこん)は腹ができていないようで、私は関係無いと言った表情で座っている。玉手に追われ身を反り返すところも形だけきれいに決まって無表情。この夏、自主公演も持つことだし、もう一段のランクアップを期待。
坂東巳之助(ばんどう・みのすけ)の奴入平(やっこ いりへい)。行儀がいい。控えて座っているだけでも形がいい。
この芝居、下手門口(しもて かどぐち)の外に街灯が立っている。途中で奴入平が門口を壊して飛び込んでくるから、玉手御前のもどりは下手からの明かりの中で行われるはずだ。
コクーンでそんな光に照らされた合邦庵室をみてみたい。
「天一坊大岡政談(てんいちぼう おおおかせいだん)」
無垢な17歳の天一坊が、たまたま将軍の御落胤の印だという短刀と折紙を見せられたのをきっかけにして、お婆さんを殺し囲炉裏に落として火事による焼死にみせかけ、行きずりの旅人を手に掛け、あっという間に悪人に変貌する序幕が面白かった。
市村萬次郎(いちむら・まんじろう)のお婆さんは適役。
菊之助のきれいな顔がやさしい青年僧から、ひょいと欲望の光る目になる所がゾクッとする良さ。
しかしここまでだった。
次のお堂の場から大岡役宅まで座ってばかりの芝居で動きが無い。
海老蔵が一場だけ出てきて山内伊賀亮(やまのうちいがのすけ)を勤める。
天一坊に所作を教えるとか言っていたが、それだけ。最後の幕で悪事がばれて妻と一緒に腹を切ったと言っていたが、そこ見たかった。
大岡越前守に尾上菊五郎(おのえ・きくごろう)。登場した瞬間の恰幅の良さに客席から声があがるほど。でも芝居が尻すぼみだったので、結局そこだけ。
昼食は三越地下、銀座うち山の弁当。一切れだけ入っている焼ごま豆腐がやはりおいしい。
「摂州合邦辻(せっしゅう がっぽがつじ)」<合邦庵室(がっぽう あんじつ)の場>
尾上菊之助の玉手御前(たまてごぜん)。
義理の息子、俊徳丸(しゅんとくまる)に「あなたに恋をしているのだと」迫るところ、リアルに迫力があった。
浅香姫(あさかひめ)を追い回すところも目が座っていて怖い。
合邦(がっぽう)に中村歌六(なかむら・かろく)。こうセリフがうまい役者がすると、ああこの人は娘を殺すな、という絶望感が声音で感じ取れる。怒鳴ってるのとは違う。合邦は追いつめられているのだというのがひしひしと伝わってくる。
追い回される浅香姫の尾上右近(おのえ・うこん)は腹ができていないようで、私は関係無いと言った表情で座っている。玉手に追われ身を反り返すところも形だけきれいに決まって無表情。この夏、自主公演も持つことだし、もう一段のランクアップを期待。
坂東巳之助(ばんどう・みのすけ)の奴入平(やっこ いりへい)。行儀がいい。控えて座っているだけでも形がいい。
この芝居、下手門口(しもて かどぐち)の外に街灯が立っている。途中で奴入平が門口を壊して飛び込んでくるから、玉手御前のもどりは下手からの明かりの中で行われるはずだ。
コクーンでそんな光に照らされた合邦庵室をみてみたい。
「天一坊大岡政談(てんいちぼう おおおかせいだん)」
無垢な17歳の天一坊が、たまたま将軍の御落胤の印だという短刀と折紙を見せられたのをきっかけにして、お婆さんを殺し囲炉裏に落として火事による焼死にみせかけ、行きずりの旅人を手に掛け、あっという間に悪人に変貌する序幕が面白かった。
市村萬次郎(いちむら・まんじろう)のお婆さんは適役。
菊之助のきれいな顔がやさしい青年僧から、ひょいと欲望の光る目になる所がゾクッとする良さ。
しかしここまでだった。
次のお堂の場から大岡役宅まで座ってばかりの芝居で動きが無い。
海老蔵が一場だけ出てきて山内伊賀亮(やまのうちいがのすけ)を勤める。
天一坊に所作を教えるとか言っていたが、それだけ。最後の幕で悪事がばれて妻と一緒に腹を切ったと言っていたが、そこ見たかった。
大岡越前守に尾上菊五郎(おのえ・きくごろう)。登場した瞬間の恰幅の良さに客席から声があがるほど。でも芝居が尻すぼみだったので、結局そこだけ。
昼食は三越地下、銀座うち山の弁当。一切れだけ入っている焼ごま豆腐がやはりおいしい。