「士業事務所経営 1億円へのエチュード」 第7章 経営書式編 9.財務報告書(決算・仮決算時) | 千の扉

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今後の予定 第2校の原稿を出来次第順次アップ 7月発売!

 

士業事務所経営 1億円へのエチュード

 

部 自社事例でみる戦略ケーススタディ


第7章 経営書式編 

 

9.財務報告書(決算・仮決算時)

 

 当社では、半期ごとに、金融機関への財務数値の報告を決算日、仮決算日過から間を開けずに行っています。

この報告は331日に決算が終わり、42日に速報値として報告しています。

金融機関として、一向に数字がまとまらない事業所とスピードで纏めて持ってくる事業所とどちらに信用をつけて、貸したくなるかは考えるまでもないことです。

また、この行為は自社としても常に総括していく姿勢につながります。

スピード処理するためにその決算期間中に前もってまとめていかないといけません。それが自社のしたことと数字のリンクのトレーニングになります。

この際、目的は概要を伝えるということですので、後日、細かい数値に修正があったとしても問題にはなりません。

 

この点を分かっていない社長が多すぎます。

 

 

**信用金庫**支店 **課長 様

 

  株式会社西河マネジメントセンターの3月決算数値です。

文責 代表取締役 西河 豊

 

決算数値概況   (千円)

                       R6/3     R5/3

売上高  148,922  (25,651)

売上原価  36,080

総利益       112,864

一般管理費 110,588  (24,160)

営業利益        2,254

支払利息    63

経常利益        2,189  (1,133)

税金試算            575    (311)

税引き後利益   1,619    (822)

特別利益・特別損失なし

販管費のうち主なもの

役員報酬 2400 広告宣伝費 9144 販売手数料

36646 支払手数料 29891 外注費 27737

(販売手数料は、営業成績連動の費用、支払手数料は

出来高連動の支払、外注費は労働費用)

 

特記事項

中小企業診断士・社会保険労務士の兼業で、社会保険労務士のいわゆる法律業務(1号2号)は民間法人で受注することが出来ずに、個人事業も残している。(上の表参照)

経済産業省・厚生労働省施策活用を顧客に支援する形であるが、直近ではその企業側支出の目的となる経営ソフトの販売出来るIT支援事業者免許を取得した。(ベンダーとコンソーシアム)結果、その売り上げが急速に増し、全体売り上げの増加に寄与した。

ソフト販売の本年実績は売上で4千万程度、利益率は10

取引形態としては、ベンダーから顧客への直納で、顧客からの入金が先で後仕入れが立つ形。よってこの分の在庫は当社にはない。貸借対照表上の在庫は自著の本などの別物である。

総論として、いままで準備してきた戦略がかみ合い、終盤ソフト販売などで一気に売り上げ成果が出て前年対比5倍以上になった。しかし、先行投資の分、利益率は低い。

 

今後の課題

速度を上げるために資金繰りでの最低残高を残し投資してきたが、本年は利益留保にシフトする。節税策策定も並行する。投資先ごとの収益性・効率性を測る仕組みを作る。

今、スケールをかけている営業部隊が稼働し、良い方のシナリオが出ると売上が一気に10億に近くなる。

代表取締役がかなり会計業務に時間を取られているので代替策を検討する。

元金融機関の退職者で、会計のできる人はいるが、当社のやっているベンチャー事業が理解できるのものかと悩んでいる。

 

今後の予定(節税策

前期も使えなかった節税原資がある。

*本の償却(100万)

*倒産防止掛け金の増額

*事前届け出給与(節税は社会保険標準報酬のみ)

 

申告終了時には付表含め一式提出します。4月中旬には申告する予定です。

登記事項変更はありません。

 

あとがき へ

 

履歴編との相関図

 

 

 

続く

 

目次***

 

士業事務所経営 1億円へのエチュード

 

はじめに

 

第1部 士業事務所の戦略概説

 

第1章 士業事務所向けミニ戦略講座

1.最初は帰納と演繹を繰り返し戦闘力を上げるしかない

2.朝令暮改でいい

3.脅威は内部環境のしかも自分

4.とにかく市場で勝て、理屈付けは後から

5.士業事務所戦略の陥りやすい方向

6.テーマを投げかけられてから形を作る

7.今のところの唯一の戦略の正解は?

8.事業化したいなら、事業化した人に聞きに行く

9.現時点での戦略総括

 

第2章 規模拡大のための経営者3要件

1.器を広げますか?の問いに正しく答えること

2.人間力と合理性

3.ボクシングのような格闘技をするマインドがあること

 

第3章 俯瞰で見る分かれ目

1.ルビコン川

2.ちょっとした分かれ道

3.行動を阻むものの存在とその対策

 

Ⅱ部 自社事例でみる戦略ケーススタディ

 

第4章 履歴編

1.黎明期

2.商品開発期

3.事業展開期

4.事業化模索期

5.法人策定期

6.現在のステージ

7.履歴編と次章以降の相関図

 

第5章 鉄則編

1.黎明期に学んだ鉄則1~2

2.商品開発期で学んだ戦略 鉄則3

3.事業展開期で学んだ戦略 鉄則4~5

4.事業化模索期に学んだ戦略 鉄則6~8

5.法人設立期に学んだ鉄則 鉄則9~10

 

第6章 マーケット分析編

1.定義

2.ジャンル解説

 ①顧問業務

 ②海外進出サポート

 ③補助金・助成金分野

 ④人的資本経営・ハラスメント予防

 ⑤CHAT GPTなど

 

第7章 経営書式編

1.経営革新法申請

2.経営力向上計画

3.補助金申請 持続化補助金

4.法人設立一式

5.BPC計画

6.許認可申請書(IT支援事業者申請・M&A支援機関)

7.知的資産経営報告書

8.金融機関への財務報告書

 

おわりに

 

参考文献

 

中小企業庁・厚生労働省サイト

神田昌典  挑戦する会社 挑戦する会社 フォレスト出版

 

第4章 履歴編 第5章 鉄則編はドキュメントであり、「である調」の方が、読みやすいと思い「である文体」で書いています。

 

これが履歴です。

 

著者紹介

西河 豊(にしかわ ゆたか)

1984年 大阪外国語大学 中国語学部(現大阪大学 国際学部)

1984年 4月~2000年2月 金融機関勤務

    2000年 独立開業

    2016~2017年 大山崎町商工会会長

    2022年 株式会社西河マネジメントセンター 設立

 

現在 西河経営・労務管理事務所

   株式会社西河マネジメントセンター代表

中小企業診断士、社会保険労務士、経営革新支援認定機関、M&A支援認定機関、IT導入支援事業者 

 

主著『補助金獲得へのロードマップ』

『助成金獲得へのロードマップ』

『待ったなし!外国人雇用』

『非接触ビジネス推進と事業再構築』

『事業再構築の教科書』

『EX-CFOを使え!』

『労務管理技術便覧』    

海外ビジネススタートの教科書 

 

続く

 

以下の書籍を基本テキストといています。