「士業事務所経営 1億円へのエチュード」 第7章 経営書式編 4.経営力向上計画 | 千の扉

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コンサルタント西河豊のSTORYを中心としたグログ

今後の予定 第2校の原稿を出来次第順次アップ

 

7月発売!

 

士業事務所経営 1億円へのエチュード

 

部 自社事例でみる戦略ケーススタディ


第7章 経営書式編 

 

4.経営力向上計画 

ここで初めて、経済産業省の書式にも労働生産性という定義が出ました。それは、付加価値を労働者で割り算する数値です。

労働生産性=付加価値額÷従業員数(あるいは労働時間)
付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費+賃借料+租税公課
で、1年間0.5%伸びていれば、可とされました。(これは、計画の最終年度に帳尻を合わせればOKです)。

この指標が厚生労働省の助成金の≒1.2倍プレミアになったのですが、適応受けるのは難しく、企業での数値の制御も効きにくいので、廃止になった経緯があります。例えば、退職金は、人件費に入るのですが、アクシデント的な要素も強く、計算期間期初に出ると数値の向上は苦しくなり、期末に出ると有利になります。

また、大きな問題は従業員を増やすと、訓練に時間をかけないと生産性向上に寄与しないので数値は落ちるということです。
これに気づくと事業主は規模拡大を目指さなくなります。
実際、社員数は10人前後が多く、50人以上は様々な人事コストが増えますので企業数としては希少になってきています。

もう一点、経営力向上計画で特徴的なことは戦略の柱としてなすべき施策は自分で考えるのではなく、それぞれの業種指針の中から選ぶなのです。
そこには「人材育成」「情報化(情報の活用)と当たり前のことが書かれています。

もうひとつ興味深いのはこの経営力向上計画書から財務の現在数値と目標値がローカルベンチマーキングとリンクされたことです。
当時私は、これをもって、国は多くの事業所に登録させて、金融機関データベースとのリンクを図り景気判断やアドバイスに結びつけたいのでは、コラムで書きました。
その思いはあったと思いますが、進んではいません。
このローカルベンチマーキング評価点がすなわち現在の金融機関の評価とイコールなので、重要な指標です。
私はいまこの部分だけは、将来の予想数値を入れて、評価点をシミュレーションしています。
書式ではエクセルで財務数値を入れると評点が出るように組んであります。同業種内での評点ですので、参考になります。

 

最終Pは提出部分ではありません。

労働生産性の算出表です。

現状と目標数値を入れれば、労働生産性指標とベンチマーキング評点が自動的に算出されます。


2023年5月作成

 

 

 

 

 

5.許認可申請書M&A支援機関・IT支援事業者) へ 続く

               

履歴編との相関図

 

 

続く

 

目次***

 

士業事務所経営 1億円へのエチュード

 

はじめに

 

第1部 士業事務所の戦略概説

 

第1章 士業事務所向けミニ戦略講座

1.最初は帰納と演繹を繰り返し戦闘力を上げるしかない

2.朝令暮改でいい

3.脅威は内部環境のしかも自分

4.とにかく市場で勝て、理屈付けは後から

5.士業事務所戦略の陥りやすい方向

6.テーマを投げかけられてから形を作る

7.今のところの唯一の戦略の正解は?

8.事業化したいなら、事業化した人に聞きに行く

9.現時点での戦略総括

 

第2章 規模拡大のための経営者3要件

1.器を広げますか?の問いに正しく答えること

2.人間力と合理性

3.ボクシングのような格闘技をするマインドがあること

 

第3章 俯瞰で見る分かれ目

1.ルビコン川

2.ちょっとした分かれ道

3.行動を阻むものの存在とその対策

 

Ⅱ部 自社事例でみる戦略ケーススタディ

 

第4章 履歴編

1.黎明期

2.商品開発期

3.事業展開期

4.事業化模索期

5.法人策定期

6.現在のステージ

7.履歴編と次章以降の相関図

 

第5章 鉄則編

1.黎明期に学んだ鉄則1~2

2.商品開発期で学んだ戦略 鉄則3

3.事業展開期で学んだ戦略 鉄則4~5

4.事業化模索期に学んだ戦略 鉄則6~8

5.法人設立期に学んだ鉄則 鉄則9~10

 

第6章 マーケット分析編

1.定義

2.ジャンル解説

 ①顧問業務

 ②海外進出サポート

 ③補助金・助成金分野

 ④人的資本経営・ハラスメント予防

 ⑤CHAT GPTなど

 

第7章 経営書式編

1.経営革新法申請

2.経営力向上計画

3.補助金申請 持続化補助金

4.法人設立一式

5.BPC計画

6.許認可申請書(IT支援事業者申請・M&A支援機関)

7.知的資産経営報告書

8.金融機関への財務報告書

 

おわりに

 

参考文献

 

中小企業庁・厚生労働省サイト

神田昌典  挑戦する会社 挑戦する会社 フォレスト出版

 

第4章 履歴編 第5章 鉄則編はドキュメントであり、「である調」の方が、読みやすいと思い「である文体」で書いています。

 

 

 

これが履歴です。

 

著者紹介

西河 豊(にしかわ ゆたか)

1984年 大阪外国語大学 中国語学部(現大阪大学 国際学部)

1984年 4月~2000年2月 金融機関勤務

    2000年 独立開業

    2016~2017年 大山崎町商工会会長

    2022年 株式会社西河マネジメントセンター 設立

 

現在 西河経営・労務管理事務所

   株式会社西河マネジメントセンター代表

中小企業診断士、社会保険労務士、経営革新支援認定機関、M&A支援認定機関、IT導入支援事業者 

 

主著『補助金獲得へのロードマップ』

『助成金獲得へのロードマップ』

『待ったなし!外国人雇用』

『非接触ビジネス推進と事業再構築』

『事業再構築の教科書』

『EX-CFOを使え!』

『労務管理技術便覧』    

海外ビジネススタートの教科書 

 

続く

 

以下の書籍を基本テキストといています。