花澤シリーズVOL5 花澤葉子の町内裁判で大騒ぎ
STORY
偶然に似てしまった?俳句!いやどちらかが、盗作した?花澤の関与先の河村さんと、スーパー小学生の対決はなんと町内での擬似裁判、なんと花澤が弁護人、そして、小学生側から出てきた弁護人はゆたちゃんこと西河だった。今回のお勉強ネタは著作権、テイストは「裁く」
師弟の対決に花澤はとっておきの作戦で挑むが・・・
今回は、俳句をどっちが盗作したかと言う内心の問題なので、直接証拠は出てきません。
よって裁判では、自分の擁護する方がいかに誠実か?逆に相手側がいかに不誠実かを証明することになります。
CAST
名探偵っぽい花澤葉子
99の矢部テイストの西河先生
のっち中岡のイメージで書いた 河村行雄
スーパー小学生 棚田星羅
高畑先生
鳥谷刑事
前田記者
吉見さんと相川さん
宇賀神先生
主婦 竹内さん
オタク 布山次郎
***花澤葉子の町内裁判で大騒ぎ14***
STE14 判決
宇賀神裁判官は「では・・・20分ほど別室で、吉見陪審員、相川陪審員と協議してきます。お待ちください!」って言って、陪審員連れて会議室出て行ったんです。
それで、これは、宇賀神先生から後日聞いた話なんですけど、まず、吉見奥さんから泣きが入ったみたいです。
「こんなん、判決付けられません!後で町内で聞かれても理由が説明できません。」
相川さんも「う~ん、同じですね、それほど差はなかったと思います。」
宇賀神裁判長はそれを予想していたように、「じゃあ~私に一任してくれるか?」「はい」「勿論です」と協議時間は1分で終わったそうです。
***
20分後、宇賀神裁判官、吉見陪審員、相川陪審員がうやうやしく会議室に入ってきました。雑談していた人たちも口を閉じました。
宇賀神裁判官最終判決
「え~別室で協議いたしました。皆さん、シンクロニシテイという言葉知っていますか?それは、他人と全く考えが似てしまう一瞬のことです。例えば、普段会っていなかった人に電話しようと思い立つとその人から偶然電話が掛かってくるとか?
この場合、星羅ちゃんと河村さんは面識なかったので、ちょっと違うんですが、その心理を代用してもいいのではないかと?
つまり、いい意味での偶然です。俳句、17文字ならそういうこともあるでしょう~それに一文字違いますし・・・」
ここまでで、私も含めて場内安心感が広がりました。でもそこで、宇賀神裁判官詰まってしまったんです。
その状況の意味は私すぐ分かったんです。
法曹にその結論の言葉がないんです。
「うっ」と詰まった切り宇賀神さん、黙っちったんですけど、もう仕方なしの顔で言われたんです。
「この裁判、ひきわけえ~痛みわけえ~おあいこお~」って、場内シーンとして、一人誰かが笑い出すと皆笑い出したんです。
そして、誰かが拍手をはちぱちってするとだんだん大きくなってものすごい拍手になったんです。
竹内由紀子さんや布山さんまで、皆に合わせて、後ろの方で拍手してました。
その時、思ったんです。こんないい加減な、引き分けっていう結論でこんなに拍手ってなんだったんだろう?って
逆に、結論のつく裁判って双方にダメージ負う残酷なものなんじゃないかって・・・
やっぱり、そういうのは全ての関係者をプロにすべきじゃないかって
隣の河村さんのほっとした顔見て、私も肩の荷がおりました。
西河先生も寄ってきて実はいっぱいいっぱいだったのか?「お疲れさん、花澤弁護士さん」って私の肩を優しくたたいたんです・・・
続く
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