肥料には多量要素と微量要素があると聞いた事がある人は多いと思います。

その違いですが、植物の生育に不可欠な栄養素のうち植物体内に0.1%以上存在するものが多量要素と呼ばれ、植物体の構成物質であるものが多いです。

植物体内に含まれる量がそれ以下で、植物体内で代謝など補助的な役割をするものが微量要素です。


多量要素には、空気や水から供給される炭素、水素、酸素と肥料三要素と呼ばれる窒素、リン酸、カリウム、二次要素と呼ばれるカルシウム、マグネシウム、硫黄の9元素があります。

微量要素については、微量要素とはの回で詳しく説明する予定です。

多量要素も微量要素も1つの元素でも欠けると植物はうまく生育しません。


今回は肥料外三要素、肥料三要素と二次要素の9種類について解説します。


まずは肥料外三要素をざっくりと解説します。

酸素(O)、炭素(C)、水素(H)

これらは空気中の酸素や二酸化炭素、そして根から吸収する水から取り入れるため肥料として与える必要はありません。

酸素は呼吸活動に使われ、酸素が無いと植物も動物同様生きていく事ができません。

炭素と水素は光合成に利用され、ショ糖やデンプンなどの糖類を生成するとともに、水を分解する過程で生じた酸素を大気中に供給します。


次に、肥料三要素です。

窒素(N)

光合成に必要な葉緑素の構成元素です。光合成をする事で葉や茎を成長させるので必要な元素で、葉肥とも呼ばれます。

窒素が多過ぎる場合、ツルボケと呼ばれる茎や葉ばかり成長して花実が付かなくなったり、病害虫や冷害への抵抗力が無くなります。

逆に少ない場合は葉の色が淡くなり、枝の出が悪くなるなど成長不良になります。


リン酸(P)

核酸や酵素の構成物質で、開花結実を促進するため花肥や実肥とも呼ばれます。

リン酸が多過ぎる場合、直接的な悪影響はあまりないのですが、マグネシウム、鉄、亜鉛の吸収を阻害してしまうため、それらの欠乏症を起こす可能性があります。

逆に少ない場合、開花時期が遅くなる事や開花数、着果数が減少します。


カリウム(K)

細胞の膨圧維持による水分調節に関与します。根の成長促進もする事から根肥とも言われます。

病気や寒さに対する抵抗力を付ける作用もあります。

カリウムが多過ぎる場合、カルシウムやマグネシウムの吸収を阻害してしまい、それらの欠乏症になる事があります。

少ない場合、主根付近の根しか成長せず、側根が少なくなります。またそれにより根腐れが起きやすくなります。


二次要素

マグネシウム(Mg)

苦土とも呼びます。

葉緑素の構成元素の1つで光合成に関わります。

また、脂肪を作る働きや、リン酸の働きを促進する働きもします。

マグネシウムが多過ぎる影響は出にくいですが、ホウ素、亜鉛、マンガンの吸収を阻害します。

少ない場合は、クロロシスという、葉脈の間が黄色くなる減少を引き起こします。

酷い場合は葉脈以外の葉全体が黄色くなる場合もあります。


カルシウム(Ca)

細胞同士の結びつきを強化し、根の成長を促進します。

カルシウムが多過ぎる場合、マグネシウムやカリウムの吸収を阻害します。 

少ない場合はトマトの尻腐れ、キャベツ、白菜などの芯腐れの原因となります。

また、新しい葉の先端や縁が黄色くなり枯れます。


硫黄(S)

植物体中の酸化・還元などの作用に影響します。アミノ酸、ビタミンなど生成には硫黄が必須なものがあり、葉緑素生成を助ける働きもあります。

硫黄が多過ぎる場合の植物に対する直接の悪影響はありませんが土壌が酸性化します。

硫黄が欠乏すると葉緑素の生成量が減少するため、古い葉から順に黄色化します。


以上多量要素の説明でした。


P.S. 先日に続いて2回目のブルーベリー収穫練習をしました。

今回は25分で完熟果実を採りつくしてしまいましたが、457g収穫ができました。

うち339gが良品で、良品率は74.2%でした。

1時間換算では1096gとようやく1kg超えです。

(前回の1時間換算は930g)

目標には程遠いですが、コツコツと頑張っていきます。