2024年9月23日(月・祝)、東京芸術劇場にて、井上道義指揮 歌劇「ラ・ボエーム」を、見てきました。

指揮者の井上道義さんは、2024年12月で、引退が決まっています。ラ・ボエームは最後のオペラ、ということで、滑り込みセーフ、で見てきたわけです。

内容は、19世紀前半のパリ、カルチェラタン。4人の若者は、詩人ロドルフォ、画家マルチェッロ、音楽家ショナール、哲学者コッリーネの四人は、屋根裏部屋で一緒に住んでいる。ある時、お針子のミミが、ロドルフォに「火をかしてください」と言って、二人は恋仲になる。ミミは、無垢で可憐な娘。対して画家マルチェッロの彼女で歌手のムゼッタは、奔放で自由恋愛の女性。浮気者で、看板描きをしているマルチェッロとは、喧嘩ばかり。ところが、ミミは病気があることがわかり、ロドルフォと別れることになる。マルチェッロも、ムゼッタとは喧嘩別れをしてしまう。二人とも、元の彼女が忘れられない。最後に、ムゼッタがミミを連れてきて、ミミはロドルフォの元で、最期を迎える。

とにかく、引退前の井上指揮者の指揮で、オーケストラの読売日本交響楽団も素晴らしい演奏。合唱団も演出がすばらしい。特筆すべきは、ロドルフォ役の、工藤和真さん。日伊声楽コンコルソ第一位及び歌曲賞だというのですが、初めは外国人だと思って聴いていました。すばらしいんですよ、これがまた。ミミとムゼッタは、外国の方でした。なお、主役のはずのミミの出番は少なくて、ほぼロドルフォが多い。それで、ミミとムゼッタの性格を対照的にしたおかげで、オペラの筋も、わかりやすい。バレエダンサーやピエロも出てきて、幕間に飽きさせず良い演出でした。

演出、振付、美術、衣裳の森山開次さんと言う方、私は初めてでしたが、幅広くこなす素晴らしい方で、フライヤーやプログラムの絵、衣裳のデザイン画まで、こなしていました。まだ若いので、これから様々なところで出てくるのではないでしょうか?

なお、名取市(宮城県)、金沢市(石川県)の会場では、まだチケットを販売しているので、ぜひ足を運んでください。他は予定枚数終了です。

2024年9月29日(日)14時開演 名取市文化会館大ホール

2024年10月26日(土)14時開演 金沢歌劇座

なお、東京芸術劇場で、井上道義指揮者の写真展も開かれていて、見ました。井上さんは、バレエの経験もあるのですね。どうりで、舞踏家の森山開次さんとの相性も抜群なのだと思いました。多芸多才ですね!